14日の香港株式相場は続伸した。ハンセン指数の終値は前日比403.58pt(1.41%)高の28,900.83ptだった。中国の独占禁止当局の監視対象となっているネット大手の一部が当局に従う姿勢を示し、「当面の悪材料が出尽くした」との見方から見直し買いが増えた。13日の米ハイテク株高や香港の経済正常化期待も支えとなった。ハイテク以外では、香港取引所(ホンコン・エクスチェンジズ・アンド・クリアリング、00388)が動画投稿アプリのTikTok(ティックトック)を運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)の上場申請報道を受け、午後に上げ幅を拡大した。石油や石炭、鉄鋼など資源・素材株にも買いが目立った。ハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は4営業日ぶりに反発し、前日比2.32%高の8,225.67ptとなった。香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1381億香港ドルだった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで13億100万香港ドルの買い越しだった。
14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比53ドル62セント(0.2%)高の33,730ドル89セントで終えた。新型コロナウイルスのワクチン普及の遅れへの懸念が和らぎ、景気敏感株に買いが広がった。市場予想を上回る好決算を発表した金融のゴールドマン・サックスが大幅高となり、ダウ平均を押し上げた。ただ、主力ハイテク株が下げ、上値は重かった。ダウ平均の上げ幅は一時230ドルを超えたが、取引終了にかけて伸び悩んだ。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前日比138.259pt(1.0%)安の13,857.840ptで終えた。
本日の香港株式市場は小動きか。前日の米株式市場で主要株価指数は高安まちまちで、香港株も手掛かり材料に乏しく、大きな方向性は出にくいと見られる。
(マーケット支援部 床井)
一進一退の展開か
14日の中国・上海株式相場は反発した。上海総合指数の終値は前日比20.2512pt(0.59%)高の3,416.7212ptだった。前日に心理的節目の3,400ptを下回って終えていたため、値ごろ感を意識した買いが先行した。香港との証券相互取引を利用した海外投資家による中国株売買は連日で大幅な買い越しとなり、海外からの資金流入期待も投資家心理の支えとなった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで57億3100万元の買い越しだった。個別では、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)、歌爾(ゴーテック、002241)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は一進一退の展開か。全体は方向感が定まらず、個別銘柄は決算発表を手掛かりにした売買となりそうだ。
(マーケット支援部 床井)