15日の香港株式市場は3日ぶりに反落。ハンセン指数の終値は前日比107.69pt(0.37%)安の28,793.14ptだった。前日の米ハイテク株の下落を受けて、香港でも大手ネット株などに売りが広がった。16日に中国の1~3月期の国内総生産(GDP)など主要な経済指標の発表を控え、様子見ムードも強かった。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は反落し、前日比1.0%安の8,142.92ptだった。香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1245億香港ドルと、約2カ月ぶりの低水準となった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで5億5400万香港ドルの売り越しだった。
15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比305ドル10セント(0.9%)高の34,035ドル99セントと、初めて34,000ドル台に乗せて取引を終えた。15日発表の3月の米小売売上高が市場予想以上に増加し、米景気の回復期待が一段と強まった。米長期金利が低下し、高PER(株価収益率)のハイテク株が買われたのも相場を押し上げた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比180.923pt(1.3%)高の14,038.763ptと、2カ月ぶりに14,000ptを上回った。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は反発し、45.76pt(1.1%)高の4,170.42ptと過去最高値を更新した。
16日の香港株式市場でハンセン指数は反発か。前日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇。米長期金利も低下しており、香港市場でもグロース株中心に買い先行のスタートとなろう。日本時間11:00に1~3月期の中国GDPや3月小売売上高など主要経済指標が発表される予定。今後の中国の金融政策の方向性を予想する上でも注目する向きは多いと思われ、内容によっては、値動きが大きくなる可能性は想定しておきたい。
(マーケット支援部 井上)
方向感を探る展開か。経済指標に注目が集まろう
15日の中国・上海株式相場は反落。上海総合指数の終値は前日比17.7337pt(0.51%)安の3,398.9875ptと、前日に回復した心理的な節目の3,400ptを再び割り込んだ。中国の1~3月期GDPの発表を16日に控え、足元の中国経済を見極めたいとの様子見気分が広がった。大型株で構成する上証50指数が年初来安値を更新するなど、大型株に売りが出た。金融株や不動産株が安く、食品株が下げ、公益株や電力株もさえなかった。半面、資源株や非鉄金属株には製品価格の上昇継続を期待する買いが入り、石油株などが堅調だった。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は6605億元。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで9億5000万元の売り越しだった。個別では、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)、興業銀行(インダストリアル・バンク、601166)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)などが売り越しとなった。
16日の中国本土株式市場は方向感を探る展開か。日本時間11:00に発表される1~3月期の中国GDPや主要経済指標に注目が集まろう。予想以上の内容となった場合、金融引き締め懸念が台頭する可能性もあり、注意しておきたい。
(マーケット支援部 井上)