1日の香港株式相場は反発した。ハンセン指数の終値は前週末比472.36pt(1.62%)高の29,452.57ptだった。前週末の2月26日の米国市場で長期金利の上昇が一服し、ハイテク株が買われた流れが香港市場にも波及した。ハンセン指数は26日に3.6%下落し、心理的節目の29,000ptを下回っていたため、値ごろ感を意識した買いも入りやすかった。一方で、中国本土と香港との証券相互取引を通じた本土投資家による香港株売買は小幅な買い越しにとどまった。中国本土マネーの流入鈍化に対する懸念が相場の上値を抑えた。個別では、ハンセン指数への新規採用が決まった医薬品通販の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス、00241)と中国火鍋チェーンの海底撈国際控股(ハイディーラオ、06862)、中国不動産の龍湖集団控股(ロンフォー、00960)の3銘柄がそろって大幅高。スポーツ用品の安踏体育用品(アンタスポーツ、02020)が上昇した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで8400万香港ドルの買い越しだった。
1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅反発した。前週末比603ドル14セント(1.9%)高の31,535ドル51セントで終えた。上げ幅は2020年11月9日以来、4カ月ぶりの大きさ。新型コロナウイルスのワクチン普及や米政府の追加経済政策の早期成立で経済活動の正常化が進むとの見方から、幅広い銘柄に買いが入った。ダウ平均の上げ幅は700ドルを超える場面もあった。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前週末比396.484ポイント(3.0%)高の13,588.829ptで終えた。
本日の香港市場は続伸か。米追加経済対策の成立や新型コロナウイルスのワクチン普及による景気回復への期待から買い優勢となりそうだ。5日予定の全国人民代表大会を控えて政策関連銘柄を中心に物色する展開となろう。また、決算発表のシーズンに入っており、好業績が見込まれる銘柄にも注目が高まりそうだ。
(マーケット支援部 床井)
政策関連銘柄中心に堅調な動きとなろう
1日の中国・上海株式相場は反発した。上海総合指数の終値は前週末比42.3194pt(1.20%)高の3551.3998ptだった。前週末に指数が2%超下落した後だけに、値ごろ感に注目した買いが入った。5日の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)開幕も思惑買いを誘い、産業支援策や景気刺激策の恩恵を期待できる銘柄を物色する動きが広がった。前週まで売りが目立ったハイテク株に自律反発を期待する買いが入った。上海の新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は2.45%高の1358.1412pt、深センの新興企業向け市場の創業板指数は2.76%高の2994.750ptと、それぞれ大幅に上げて終えた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンドは、合わせて成約ベースで37億8600万元の買い越しだった。個別では、美的集団(ミデア・グループ、000333)中国遊游集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、瀘州老窖(ルーヂョウ・ラオジャオ、000568)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが売り越しとなった。
中国本土市場も香港市場同様続伸か。政策関連銘柄中心に堅調な動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 床井)