26日の香港株式市場は大幅に反落し、ハンセン指数は前日比1093.96pt(3.63%)安の28,980.21ptで取引を終了した。節目の2万9000を下回り、2月1日以来の安値だった。前日の米長期金利の上昇と米株急落が警戒され、香港市場でも投資家が運用リスクの回避姿勢を強めた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数も大幅に反落し、前日比5.71%安。香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は前日比25%増の3202億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで75億9500万香港ドルの売り越しだった。
26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比469ドル64セント(1.5%)安の30,932ドル37セントと3週間ぶりの安値で取引を終えた。足元の相場下落を受けて投資家の慎重姿勢が強まり、持ち高調整や利益確定目的の売りが優勢となった。一方、米長期金利の上昇が一服し、高PER(株価収益率)の主力ハイテク株には買いが入り、相場を支えた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比72.914pt(0.6%)高の13,192.345ptで終えた。
1日の香港市場でハンセン指数は反発か。前週末の米国市場で長期金利の上昇が一服し、米ハイテク株の調整に歯止めがかかったことを手掛かりに、香港市場でもハイテク株中心に押し目買いが優勢となろう。株価指数を運営するハンセン・インデックシズは26日、四半期ごとに行っているハンセン指数ほか指数構成銘柄見直し(3月15日に発効)の結果を公表した。ハンセン指数では、阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー、00241)と龍湖集団(ロンフォー、00960)、海底撈国際控股(ハイディーラオ・インターナショナル・ホールディング、06862)の3銘柄、ハンセンテック指数では、海爾智家(ハイアール・スマート・ホーム、06690)、万国数拠(GDSホールディングス、09698)の2銘柄が新規採用となった。新規採用銘柄については、今後インデックスファンドなどからの資金流入が期待され、注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
政策期待を背景に確りの展開を想定
26日の中国・上海株式相場は反落。上海総合指数の終値は前日比75.9654pt(2.11%)安の3,509.0804ptと、5日以来3週間ぶりの安値を付けた。米長期金利の上昇を受け、アジアの主要な株価指数が軒並み大幅安となり、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めた。酒造の貴州茅台酒など、割高感が意識されている銘柄を中心に売りが出た。上海総合指数は、3500pt近辺では押し目買いも入って下げ渋ったものの、下落率は米中間の対立激化懸念が高まった2020年7月24日以来およそ7カ月ぶりの大きさだった。深セン株式市場の深セン成分指数は前日比2.16%安、新興企業が主体の創業板指数は2.11%安。上海と深セン市場の売買代金は合計で9068億元と、前日比約3%減だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで56億3300万元の売り越し。個別では、美的集団(ミデア・グループ、000333)、瀘州老窖(ルーヂョウ・ラオジャオ、000568)、興業銀行(インダストリアル・バンク、601166)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、江蘇恒瑞医薬(600276、ジャンスー・ハンルイ・メディシン)などが売り越しとなった。
1日の中国本土市場は確りの展開か。中国国家統計局が28日に発表した2月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は50.6と、前月から0.7pt低下。同時に発表されたサービス業の動向をカバーする非製造業PMIは同1.0pt低下の51.4となった。製造業PMIが昨年5月以来、非製造業PMIが昨年2月以来の低水準となり、景況感の悪化を示す内容ではあったが、国家統計局は、春節(旧正月)の大型連休が昨年の1月下旬から今年は2月中旬にずれ、製造業の活動が低下する時期に当たったと説明し、企業の先行き見通しは堅調と指摘していることから、特に問題はなかろう。3月5日に全人代の開幕を控え、政策期待が支えとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)