休場明け16日の香港株式市場は6日続伸。ハンセン指数の終値は前営業日の11日と比べて573.09pt(1.89%)高の30,746.66ptと、2018年6月以来約2年8カ月ぶりの高値を付けた。休場期間中の原油高や15日の欧州株式相場の上昇を受け、投資家が運用リスクをとる姿勢を強めた。香港域内での新型コロナウイルスの感染が連休中に拡大しなかったため、飲食店などへの規制が緩和され、経済活動が正常化に向かうとの期待も相場を押し上げた。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は大幅に4日続伸し、前日比2.72%高の10,694.68ptで取引を終え、指数算出開始以来の最高値を連日で更新した。
16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比64ドル35セント(0.2%)高の31,522ドル75セントと連日で過去最高値を更新した。追加経済対策の早期成立や新型コロナウイルスのワクチン普及への期待から買いが優勢となった。ただ、長期金利の上昇を受けて高PER(株価収益率)銘柄である主力ハイテク株の一角は売られ、相場の上値は重かった。ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前週末比47.975pt(0.3%)安の14,047.499ptで取引を終えた。
本日の香港市場は利益確定売り優勢の展開か。16日の米市場では米長期金利が約1年ぶりの高水準を付け、ナスダック総合株価指数が下落した。急ピッチな米金利上昇で、香港市場でもバリュエーションが高い成長株を中心に利益確定売りが優勢となろう。もっとも下値では押し目買いも入りそうだ。香港政府は16日、現行の新型コロナウイルス感染防止策を18日から一部緩和すると正式に発表した。新規感染者数が減少傾向にあるためで、アプリ利用などの条件付きではあるものの、飲食店の夜間の店内営業を認めるほか、営業停止が続く美容関連施設やスポーツジムなどの再開を決めた。経済活動の正常化期待の高まりが予想され、香港地場の不動産銘柄や映画、小売りなどの消費関連株の後押し材料になりそうだ。
(マーケット支援部 井上)