8日の香港株式市場でハンセン指数は小幅続伸。終値は前週末比30.79pt(0.10%)高の29,319.47ptだった。前週末の米株高で投資家心理が上向いた。中華圏で今週から春節(旧正月)の大型連休が始まることを材料に消費関連が買われ、指数を支えた。マカオカジノ運営の銀河娯楽集団が昨年来高値を更新するなど春節連休中の増収が見込まれる銘柄に買いが入った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで115億8600万香港ドルの買い越しだった。
8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6日続伸し、前週末比237ドル52セント(0.8%)高の31,385ドル76セントと、3週ぶりに過去最高値を更新した。米国の追加経済対策が早期に成立し、景気回復を後押しするとの期待から買いが優勢だった。経済対策の恩恵を受ける景気敏感株の上昇が目立った。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前週末比131.346pt(0.9%)高の13,987.642ptと過去最高値を更新。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は6日続伸し、前週末比28.76pt(0.7%)高の3,915.59ptと過去最高値で終えた。
本日の香港市場でハンセン指数は上値の重い展開か。景気の改善期待で8日の米株式市場が上昇した流れを引き継ぎ買い先行のスタートが予想されるも、中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引が本日から休止するため、短期的に資金流入が鈍るとの懸念が上値を抑えよう。春節の大型連休を前に春節期間中に増収が見込まれる銘柄を選別物色する動きが続きそうだ。
(マーケット支援部 井上)
模様眺めムードの強まりを想定も、商品市況高が追い風か
8日の中国・上海株式相場は4営業日ぶりに反発し、上海総合指数の終値は前週末比36.1138pt(1.03%)高の3,532.4467ptと、節目の3,500ptを上回った。7~8日に中国人民銀行(中央銀行)が公開市場操作(オペ)で資金供給超とし、短期資金の逼迫懸念が和らいだ。足元では短期金利の上昇が一服しているうえ、8日も中国本土株投資の海外資金の買い越しが続き、投資家心理が強気に傾いた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで79億2900万元の買い越し。個別では、ラックスシェア(002475)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(ウーリャンイェー・イービン、000858)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、中国中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は個別銘柄物色中心の展開か。春節(旧正月)の大型連休を前にした模様眺めムードの強まりが予想されるものの、海外市場でも商品市況高が続いており、関連銘柄が物色される流れとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)