7日の香港株式市場は7営業日ぶりに反落した。ハンセン指数の終値は前日比143.78pt(0.51%)安の27,548.52ptだった。中国通信大手3社の米上場廃止に向けた手続きの再開や、米政府が米国民による中国電子商取引(EC)最大手のアリババ集団と中国ネットサービスの騰訊控股(テンセント)への投資を禁止する措置を検討しているとの報道を受け、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めた。指数は前日までに6日続伸しておよそ10カ月半ぶりの高値を付けており、短期的な利益確定目的の売りも出やすかった。半面、米長期金利の上昇を背景に金融株が軒並み大幅高となり、指数は上げに転じる場面もあった。中国本土と香港の証券相互取引で、本土投資家による香港株投資が連日で100億香港ドルを超える大幅な買い越しとなったことも相場を下支えした。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで154億2100万香港ドルの買い越しだった。
7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比211ドル73セント(0.7%)高の31,041ドル13セントと連日で過去最高値を更新した。民主党が大統領と上下両院の過半数を握る「ブルーウエーブ」が実現し、大型の追加経済対策が実施されるとの期待から買いが優勢となった。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比326.686pt(2.6%)高の13,067.480ptと初の13,000pt台で終えた。S&P500種株価指数は同55.65pt(1.5%)高の3803.79ptとなり、主要3指数がそろって過去最高値を付けた。
本日の香港株式市場は、前日の米株式市場で主要3指数が過去最高値を付けたことを受け、買いが先行しそうだ。ただ、米国による対中制裁の余波が上値を抑える要因となりそうだ。
(マーケット支援部 床井)
【中国本土市場】利益確定売り、もみ合いの展開か
7日の中国・上海株式市場は6日続伸した。上海総合指数の終値は前日比25.3279pt(0.71%)高の3576.2046ptと、2015年12月下旬以来、およそ5年ぶりの高値を付けた。米国で大統領と上下院の多数派を民主党が占める見通しとなり、米景気対策などで世界景気が回復すれば中国景気も恩恵を受けるとの期待が強まった。大型株で構成する上証50指数が1.91%高となった。大型株買いの流れで金融株が高く、酒造の貴州茅台酒は連日で上場来高値を更新した。香港から中国本土に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで32億6300万元の買い越しだった。個別では、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ヘンルイ・メディシン、600276)、美的集団(ミデア・グループ、000333)、ラックスシェア(002475)、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイヂョウ・モウタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中国中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリ・インダストリアル、600887)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は、前日の米株高を好感する買いが先行しそうだ。ただ、上海総合指数は前日におよそ5年ぶりの高値を更新しており、高値圏ではポジション調整や利益確定の売りも出そうで、全体的には上値を追いにくく、もみ合いの展開を予想する。
(マーケット支援部 床井)