週明け23日の香港株式市場で、ハンセン指数は小幅に続伸。終値は前営業日比0.13%高の26,486.20ptだった。メインボードの売買代金は概算で1520億3000万香港ドルだった。
ハンセン指数は高く始まった後、前週末の終値付近でもみ合いとなり方向感を欠いた。低金利環境が続くとの見方からハイテク株や景気敏感株の一角に買いが入り、相場を支えた。香港での新型コロナウイルス感染の再拡大が警戒されたが、指数は10日移動平均(大引け時点で26,349.05pt)に迫る水準では下げ渋った。セクター別では素材とエネルギー、工業が上げた半面、不動産・建設、医療・ヘルスケアが下げた。ハイテク関連の30銘柄で構成するハンセンテック指数は続伸し、前日比1.14%高の8088.86ptで取引を終了。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで52億1500万香港ドルの買い越しだった。
23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前週末比327ドル79セント(1.1%)高の29,591ドル27セントで終えた。英製薬アストラゼネカが23日、オックスフォード大学と共同開発する新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験で、最大90%の有効性を確認したと発表。米製薬ファイザーが開発中のワクチンの接種が12月11日にも始まる見通しになるなど、ワクチン開発を巡る好材料が相次いだ。また、午後には複数の米メディアが、米大統領に就任する見通しのバイデン前副大統領が「財務長官にイエレン元米連邦準備理事会(FRB)議長を起用する方針」と伝えた。労働経済学を専門とするイエレン氏の起用で、新型コロナで打撃を受けた労働市場の改善に効果的な政策が打たれるとの期待が高まった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は前週末比25.664pt(0.2%)高の11,880.634ptと反発した。ただ、ビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズや動画配信のネットフリックスなど、巣ごもり消費の恩恵を受けやすい銘柄は下落した。
本日の香港株式市場は、投資家心理が改善し、買い先行となりそうだ。米国で新型コロナワクチンの接種が来月中旬にも始まると伝わるなど、ワクチンの早期普及期待を後押しする報道が相次いだ。投資家のリスク選好姿勢が強まる展開となろう。
(マーケット支援部 床井)
ワクチン開発進展、底堅い展開か
23日の中国本土株式市場で、上海総合指数は4営業日続伸。終値は前日比1.09%高の3414.49ptだった。心理的節目の3400ptを回復し、終値は8月18日以来、約3カ月ぶり高値を更新。政府系企業の社債デフォルト(債務不履行)が多発する中、国務院金融安定発展委員会は前週末の会議で、監督管理の強化と債券市場の安定維持を図る方針を示した。当局が関与する姿勢を明らかにしたことで、信用リスクへの不安が後退し、買い安心感につながった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで100億5200万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、中国中免(601888)、恒瑞医薬(600276)、格力電器(000651)、ラックスシェア(002475)などが買い越しとなり、三一重工(600031)、美的集団(000333)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は、底堅い展開か。英製薬会社アストラゼネカとオックスフォード大学が手掛ける新型コロナワクチンの開発進展を背景に、高く始まると見られる。また、トランプ米政権がバイデン氏に政権移行の開始を許可したとの報道も投資家の買い安心感につながろう。
(マーケット支援部 床井)