19日の香港株式市場は4営業日ぶりに反落。ハンセン指数の終値は前日比187.32pt(0.70%)安の26,356.97ptだった。指数は18日におよそ8カ月半ぶりの高値を付けており、欧米などでの新型コロナウイルス拡大への警戒が強まるなか、主力ネット株や金融株などに目先の利益を確定する売りが出た。朝方の売り一巡後は動意に乏しい相場展開となり、狭い値幅での取引に終始した。香港上場のハイテク関連30銘柄で構成する「ハンセンテック指数」も反落し、前日比0.86%下落した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで28億1300万香港ドルの買い越しだった。
19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比44ドル81セント(0.2%)高の29,483ドル23セントで取引を終えた。中断していた米議会での追加経済対策の協議が再開する見込みと伝わり、早期に追加対策で与野党が合意すれば、米経済の回復が進むとの思惑から買いが優勢になった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も反発し、前日比103.111pt(0.9%)高の11,904.714ptで終えた。
本日の香港市場で、ハンセン指数は確りの展開か。世界的に新型コロナウイルスの感染者数が急増しており、景気回復期待に水を差しているものの、ワクチン開発への期待に加え、米国で中断していた議会での追加経済対策の協議が再開する見込みと伝わるなど、財政・金融政策による景気の下支え期待は顕在していると思われる。下値の堅い展開となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
国務院常務会議は、消費を経済成長のエンジンとして後押しすることを再度確認
19日の中国・上海株式市場は続伸。上海総合指数の終値は前日比15.7842pt(0.47%)高の3,363.0876ptだった。李克強首相が主催する中国の国務院常務会議は18日、自動車や家電の買い替えや観光などを促進する内需振興施策を打ち出した。投資家が運用リスクを取る姿勢を強め、政策の恩恵を受ける自動車や家電、観光関連株などに買いが入った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで4億3800万元の買い越し。個別では、格力電器(000651)、美的集団(000333)、中国中免(601888)、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、京東方科技(000725)、ハイクビジョン(002415)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は、堅調な展開か。国務院常務会議では、消費を経済成長のエンジンとして後押しすることが再度確認され、具体的には、自動車市場の安定化と拡大、家電や家具の消費を促進、飲食業の消費を促進、観光消費の潜在力を引き出すための施策などが挙げられている。関連銘柄に注目が集まる流れが続きそうだ。
(マーケット支援部 井上)