24日の香港株式市場でハンセン指数は小幅に3日続伸し、終値は前日比102.00pt(0.38%)高の26,588.20ptと、3月5日以来およそ8カ月半ぶりの高値を付けた。新型コロナウイルスのワクチン実用化や米政治の安定期待を手がかりに香港時間24日の米株価指数先物が上昇し、香港市場でも投資家心理が強気に傾いた。香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が25日の施政方針演説で200項目の新措置を打ち出すと24日予告し、香港域内景気の下支え期待が強まった。不動産株や公益株など香港系銘柄が買われたほか、マカオのカジノ株や香港の金融株の一部も上昇した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで22億9600万香港ドルの買い越しだった。
24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比454ドル97セント(1.5%)高の30,046ドル24セントと初めて3万ドルを上回って取引を終えた。バイデン次期政権への政権移行が円滑に進むとの観測が強まり、投資家心理が上向いた。新型コロナウイルスのワクチン開発への期待も支えとなり、景気敏感株を中心に買われた。ナスダック総合株価指数は前日比156.151pt(1.3%)高の12,036.785ptと、過去最高値を更新した9月2日以来となる12,000pt台を回復して取引を終えた。
本日の香港市場は確りの展開か。本日行われる予定の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官による香港施政方針演説では、反政府デモや新型コロナウイルスの流行で2019年半ばから低迷している香港経済について、中国との結びつきを強めて回復を急ぐ考えが示されるもよう。市場には「中国・香港間のストックコネクト取引に、セカンダリー(重複)上場の銘柄を加える方針が言及される」との観測もあるようだ。アリババ集団(09999)、網易(ネットイース、09999)、京東集団(JDドットコム:09618)といった関連銘柄に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
新五カ年計画への期待が下支え
24日の中国・上海株式市場は5営業日ぶりに小反落。上海総合指数の終値は前日比11.6674pt(0.34%)安の3,402.8225ptだった。相場が前日に約3カ月ぶりの高値水準を回復しており、けん引役だった景気敏感株を中心に利益確定売りが出た。銀行や保険、証券株の一角が下落したほか、家電や主力酒造株が安く、自動車株も利益確定売りに押された。半面、半導体などハイテク関連株の一部が堅調となり、非鉄金属や希少金属株、石油関連株が高かった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで1億3800万元の売り越し。個別では、格力電器(000651)、ラックスシェア(002475)、美的集団(000333)、江蘇恒瑞医薬(600276)、上海汽車集団(600104)などが買い越しとなり、京東方科技(000725)、ハイクビジョン(002415)、興業銀行(601166)、ハイアール・スマート(600690)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は堅調な展開か。来年からスタートする新五カ年計画への期待が下支えとなろう。利益確定売りをこなしながら堅調な動きが続きそうだ。
(マーケット支援部 井上)