18日の香港株式市場でハンセン指数は3日続伸した。前日比129.20pt(0.48%)高の26,544.29ptと、終値としては3月5日以来およそ8カ月半ぶりの高値を付けた。中国・上海総合指数の上昇が投資家心理を支えた。新型コロナウイルスのワクチンの早期普及への期待も根強く、指数は総じて堅調に推移した。
中国本土企業株で構成するハンセン中国本土株指数は反発し、0.85%高の10,640.05ptと上昇率はハンセン指数よりも大きかった。ハイテク関連株で構成する「ハンセンテック指数」は反発し、終値は0.49%高の7972.21ptだった。個別では、中国自動車の吉利汽車HD(00175)が独同業のダイムラーとのエンジン共同開発観測を手がかりに急伸し、年初来高値を更新した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで18億100万香港ドルの買い越しだった。
18日の米株式相場は続落し、ダウ工業株30種平均は前日比344ドル93セント(1.2%)安の29,438ドル42セントで終えた。米国での新型コロナウイルスの感染拡大による目先の景気の不透明感がくすぶり、最近上昇が目立っていた銘柄を中心に利益確定売りが優勢となった。ダウ平均は取引終了にかけて下げ幅を広げ、この日の安値圏で終えた。一方、在宅勤務や巣ごもり消費の恩恵を受けやすい銘柄の一角は買われた。
ナスダック総合株価指数は前日比97.740pt(0.8%)安の11,801.603ptで終えた。スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトなど主力ハイテク株が総じて下げた。一方、アナリストが投資判断を引き上げた電気自動車(EV)のテスラは10%上昇した。
本日の香港株式市場は、海外での新型コロナウイルス感染拡大を警戒する中、売り圧力に押されそうだ。ただ、足元では人民元高が進んでいることを受け、本土株売買への資金流入は期待できよう。
(マーケット支援部 床井)
全体は反落するも、人民元高の恩恵を受ける銘柄を選別する動きか
18日の中国・上海株式相場は反発した。上海総合指数の終値は前日比7.4084pt(0.22%)高の3347.3034ptだった。金融や資源などの景気敏感株が相場上昇を主導した。一方で中国の社債市場でデフォルト(債務不履行)が多発しており、信用リスクへの懸念が投資家心理の重荷になった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで1500万元の売り越しだった。個別では、中国中免(601888)、京東方科技集団(000725)、五糧液(000858)、ハイクビジョン(002415)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、格力電器(000651)、ゴーテック(002241)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は、足元でドル安人民元高が進んでいることを受け、資金流入への期待が高まろう。ただ、人民元高は輸出企業にとっては収益の減少要因とも捉えられる。元高がメリットとなるセクターとデメリットとなるセクターを選別する動きになろう。
(マーケット支援部 床井)