重陽節の3連休明け27日の香港株式市場でハンセン指数は7営業日ぶりに反落。終値は前営業日比131.59pt(0.52%)安の24,787.19ptだった。前日の欧米株急落を受け、新型コロナウイルスの感染再拡大による世界景気の回復遅れを懸念する売りが広がった。もっとも、時価総額上位銘柄の一角には買いが入り、指数の下値は限られた。中国ネットサービスのテンセント(00700)が4%上げて株式分割後の実質的な上場来高値を更新。中国電子商取引(EC)最大手アリババ集団(09988)も朝安後に上げに転じた。昼休み時間中に四半期決算を発表した英金融大手HSBC(00005)は大幅高だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで66億7200万香港ドルの買い越しだった。
27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落。前日比222ドル19セント(0.8%)安の27,463ドル19セントで取引を終えた。欧米で新型コロナウイルスの感染が再拡大し、行動制限の強化による景気懸念から売りが優勢だった。来週の米大統領選に向けた持ち高調整が続いたとの見方もあった。一方、業績が新型コロナの拡大の影響を受けにくいハイテク株は上昇。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比72.41pt(0.6%)高の11,431.35ptで取引を終えた。
本日の香港市場でハンセン指数は確りの展開か。政策期待が支えとなりそうだ。中国政府は2035年をめどに新車販売のすべてを環境対応車にする方向で検討すると伝わった。50%を電気自動車(EV)を柱とする新エネルギー車とし、残りの50%を占めるガソリン車はすべてハイブリッド車(HV)にする方針で、米中対立の先鋭化や国際物流の停滞に備え海外に依存しない中国独自のサプライチェーンの構築や自動運転分野の開発を進める方針、燃料電池車(FCV)に力を入れる方針なども盛り込まれている。関連銘柄に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
堅調な展開を想定。好業績銘柄や政策関連銘柄に注目が集まりそうだ
27日の中国本土株式市場は小確りの展開。上海総合指数の終値は前日比3.1969pt(0.09%)高の3,254.3157pt、深セン成分指数の終値は同78.407pt(0.59%)高の13,269.654ptだった。共産党の重要会議が開催中とあって買い手掛かりに欠けるなか、大型株を売って新興ハイテク株を買う足元の流れが継続した。上海総合指数は前日までに4日続落し、約1カ月ぶりの安値圏にあったため、押し目買いも入りやすかった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで46億3700万元の売り越し。個別では、ハイクビジョン(002415)、格力電器(000651)、長春高新(000661)、歌爾(002241)、中国中免(601888)、伊利実業集団(600887)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)、貴州茅台酒(600519)、三一重工(600031)、江蘇恒瑞医薬(600276)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は堅調な展開を想定。好業績銘柄や政策関連銘柄に注目が集まりそうだ。中国の電子部品メーカーのラックスシェア(002475)は昨日引け後、7~9月期は前年同期比40.75%増収、同54.54%増益となり、20年12月期も50~55%増益見通しとなると発表した。同社はアップルの「AirPods」を受託生産しており、今後も活躍が期待できよう。中国政府の政策方針が伝わった新エネルギー車関連とともに注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)