26日の香港株式市場は休場。26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続落した。前週末比650ドル19セント(2.3%)安の27,685ドル38セントで終えた。米国で新型コロナウイルスの感染拡大が過去最多を更新したうえ、追加経済対策の合意も遠のき、米景気回復が遅れると警戒された。下げ幅は965ドルに達する場面もあった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に反落した。前週末比189.35pt(1.6%)安の11,358.94ptで終えた。
本日の香港株式市場は、前日の米国株式相場の大幅安を引き継ぎ、売り先行のスタートとみられる。米国で1日当たりの新型コロナ感染者数が増加したほか、欧州の新規感染者数も伸びている。経済活動の制限が進むのではないかとの警戒から景気敏感株を中心に売られることになりそうだ。また、上海・香港両市場への上場が決まったアント・グループの新規株公開(IPO)への応募を控えた需給悪化の懸念も相場を押し下げる圧力になろう。
(マーケット支援部 床井)
売り先行も下値近辺でもみ合いの展開か
26日の中国・上海株式相場は4日続落した。上海総合指数の終値は前週末に比べ26.8784pt(0.81%)安の3251.1188ptと、9月30日以来およそ1カ月ぶりの安値だった。7~9月期決算の増益率が鈍化し市場予想を下回った酒造の貴州茅台酒が4.2%安で終えるなど、割高感のあった大型株への売りが相場の重荷となった。また、中国共産党は26~29日の日程で、次期5カ年計画などを実質的に決める「5中総会」を開始した。中長期的な経済成長策などを見極めようと、26日は新規の買いが入りにくかった。11月上旬にアリババ集団傘下の金融会社アント・グループの上場を控え、同社株の応募に備えた換金売りも出ていたとみられる。ただ一方では、深セン上場で監視カメラの杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)の7~9月期業績が市場予想を上回った。同社株は急伸し9.3%高で終えるなど、上海・深セン市場のハイテク株に業績期待の買いが波及した。
本日の中国本土市場は続落しそうだ。前日の米国株式相場が大幅安となり、投資家心理の重荷になるだろう。ただ、現在開催中の「5中総会」では、海外の需要や技術への依存度を減らし、「内部循環」による経済成長を促すことがテーマとなっており、政策期待から下値は限定的とみられる。売り一巡後はもみ合いの展開か。
(マーケット支援部 床井)