28日の香港株式相場は続落した。ハンセン指数の終値は前日に比べ78.39pt(0.31%)安の24,708.80ptと20日以来の安値だった。欧米での新型コロナウイルスの感染再拡大を警戒し、アジア時間28日の米株価指数先物が下落し、香港市場でも投資家心理の重荷となった。11月5日に上場する金融会社アント・グループの応募が殺到し、既存株に新規の買いが入りにくいことも影響した。一方、主力ハイテクが買われ相場を下支えした。アント・グループを傘下に持つ中国電子商取引のアリババ集団(09988)に加え、中国ネットサービスのテンセント(00700)が上場来高値を更新した。アントが上場する香港取引所(00388)も高い。
香港上場のハイテク関連30銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は続伸し前日比1.44%高だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンドは、成約ベースで94億7400万香港ドルの買い越しだった。
28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比943ドル24セント(3.4%)安の26,519ドル95セントと7月末以来、3カ月ぶりの安値で終えた。欧米で新型コロナウイルスの感染が再び深刻化しており、世界景気への影響が懸念された。また、米大統領選を来週に控え、持ち高調整の売りが出ているとの見方もあり、景気敏感株だけでなく、ハイテク株やディフェンシブ株も含めて幅広く売られた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前日比426.48pt(3.7%)安の11,004.87ptと約1カ月ぶりの」安値で終えた。
本日の香港株式市場は、続落も下げ渋る可能性もあろう。欧州で新型コロナの感染再拡大が深刻さを増しており、世界景気を冷え込ませるとの警戒が広がっていることを受け、売り先行の展開になりそうだ。ただ、中国本土では「5中総会」が本日まで開かれる予定。政策の恩恵を受ける銘柄を物色する動きが相場の下支えとなろう。
(マーケット支援部 床井)
一進一退の展開か、欧州コロナ再流行が上値を抑える要因に
28日の中国・上海株式相場は続伸した。上海総合指数の終値は前日比14.9223pt(0.45%)高の3269.2380ptだった。中国共産党の重要会議である第19期中央委員会第5回総会(5中総会)が開催中で、政策の恩恵が期待できる銘柄を物色する動きが続いた。新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」が1%を超えて上昇したことも投資家心理の改善につながり、上海総合指数は午後に上げ幅を拡大した。中国当局が環境車促進の方針を示したことを手がかりに、上海汽車集団(600104)などの自動車株が大幅高となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで1億8700万元の買い越しだった。個別では、宜賓五糧液(000858)、ゴーテック(002241)、格力電器(000651)、貴州茅台酒(600519)などが買い越しとなり、中国中免(601888)、江蘇恒瑞医薬(600276)、ラックスシェア(002475)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は、欧州でコロナが再流行していることが、上値を抑える要因になりそうだ。
ただ、主要企業の決算発表が本格化する中、足元の業績改善が確認できる銘柄に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 床井)