14日の香港株式市場でハンセン指数は続伸。終値は前週末比136.97pt高の24,640.28ptと、4日以来の高値となった。香港時間の14日に米株価指数先物が上昇し、米ハイテク株の調整が一巡したとの期待が高まった。米アップルの新製品発表への期待も支援材料となり、ハイテク株が軒並み買われ指数を押し上げた。ハイテク関連株で構成する「ハンセンテック指数」は続伸し、終値は前週末比1.93%高の7317.31ptと4日以来の高値を回復した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで52億4400万香港ドルの買い越しだった。
14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比327ドル69セント高の27,993ドル33セントで取引を終えた。大型M&A(合併・買収)のニュースが相次ぎ、市場心理の改善につながったほか、コロナワクチンの開発を巡る好材料も相場上昇を支えた。
本日の香港市場でハンセン指数は続伸か。米ハイテク株などの上昇は香港市場でも投資家心理の支えとなろう。本日は多数のイベントが予定されている。まず中国では、8月の鉱工業生産、小売売上高など主要経済指標が発表される予定。中国経済は8月の天災による被害が懸念されていたが、被害額は過去5年間の平均程度にとどまり景気回復基調を大きくは損なわなかったと伝わっており、本日発表の主要指標も中国景気の回復が順調に進んでいることを確認する内容が期待できよう。米国では、本日から米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される予定。市場では追加の金融緩和策が打ち出されるとの期待が根強いようで、香港市場でも下支え材料として意識されよう。また、本日から米商務省による華為技術(ファーウェイ)への輸出規制の強化が発効される中、米アップルが米国時間15日に特別イベントを開催する予定となっている。関連銘柄にとっては好悪両面の影響が考えられるが、昨日の香港市場では米アップルの新製品発表への期待が支援材料となっており、大きな波乱はなさそうだ。
(マーケット支援部 井上)
しっかりの展開か。主要経済指標は景気回復傾向を示す内容となると予想
14日の中国本土株式市場は続伸。上海総合指数の終値は前週末比18.4677pt高の3,278.8138pt、深セン成分指数の終値は同79.042pt高の13,021.99ptだった。中国当局が前週末に上海のハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」に連動した上場投資信託(ETF)を相次いで承認し、ハイテク株への資金流入期待が高まった。上証科創板50成分指数は続伸し、前週末比2.7%高、深セン創業板指数は同1.4%高だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで31億4400万元の売り越し。個別では、長春高新(000661)が買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)、歌爾(002241)、京東方科技(000725)、貴州茅台酒(600519)、伊利実業集団(600887)、中国中免(601888)、万華化学(600309)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場はしっかりの展開か。昨日に引き続きハイテク関連株への資金流入期待が支えとなろう。本日は日本時間11:00に中国の主要経済指標が発表される予定。8月の天災被害が予想ほど大きくなかったことや足もと好調な経済指標の発表が相次いでいることなどを考慮すると、順調な回復基調を示す内容になると予想され、投資家心理の支えとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)