9日の香港株式市場でハンセン指数は反落。終値は前日比155.41pt安の24,468.93ptと、8月10日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。前日の米株安やこの日の中国・上海株をはじめとするアジアの株式相場の下落を受け、投資家のリスク回避姿勢が強まった。世界の株式市場でのハイテク株安の流れを受けて時価総額の大きな中国のネット大手が下落し、指数は終日軟調に推移した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで17億3400万香港ドルの買い越しだった。
9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比439ドル58セント高の27,940ドル47セントで取引を終えた。前日まで下げが目立った主力ハイテク株が買い直され、相場を押し上げた。上げ幅は午後に一時700ドルを超えたが、引けにかけてやや伸び悩んだ。
本日の香港株式市場でハンセン指数は反発か。米株式市場がハイテク株の押し目買いで大幅に反発しており、投資家心理が上向き、香港市場でも運用リスクをとる動きが優勢となろう。ハイテク株を中心に値ごろ感からの買いが支える展開となりそうだ。本日は、中国で「ケンタッキーフライドチキン(KFC)」、「ピザハット」などを展開する百勝中国HD(ヤム・チャイナ・ホールディングス:09987)が上場する予定。同社は米国市場に次ぐセカンダリー上場となる。グレーマーケット取引は公募価格比2.913%安の400.00香港ドルで取引を終了した。
(マーケット支援部 井上)
反発か。国営テレビが景気回復に向け消費を下支えする方針報じる
9日の中国本土株式市場は大幅に反落。上海総合指数の終値は前日比61.7891pt安の3,254.6279pt、深セン成分指数の終値は同431.58pt安の12,861.75ptだった。米株式市場でハイテク株の下落が続き、投資家のリスク回避姿勢の強まりからテクノロジーや消費関連など割高感のある銘柄を中心に売りが膨らんだ。米国やインドと中国の関係悪化への懸念や金融緩和期待の後退も相場の重荷だった。上海と深センの売買代金は合計で1兆300億元。このうち深セン市場が6950億元と、8月7日以来の高水準となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで37億5800万元の売り越し。個別では、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)、京東方科技(000725)、格力電器(000651)、貴州茅台酒(600519)、中国中免(601888)、伊利実業集団(600887)、江蘇恒瑞医薬(600276)、海天調味食品(603288)、三一重工(600031)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は反発か。国営テレビが9日、国務院(内閣に相当)の見解として、中国政府が景気回復に向け消費を下支えする方針だと報じた。国務院は「消費は今年、新型コロナウイルス流行を受け比較的大きな打撃を受け、景気回復における経済的つながりが弱くなっている」と指摘。インターネットとデジタル技術に支えられた新しい消費形態を促進し、関連インフラの構築を加速するとし、内需拡大の支援に市場のイノベーションを促す考えも示した。関連銘柄中心に戻りを試す展開となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)