13日の香港株式相場は小幅反発。ハンセン指数の終値は前週末比44.71pt高の25,772.12ptだった。中国本土株式相場の上昇が支えとなり、指数の上昇率は一時1.5%近くに拡大した。一方、香港で13日に少なくとも50人が新型コロナウイルスに新たに感染したと夕方に伝わると、景気回復の不透明感が強まり、香港銘柄を中心に売りも増えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで61億9100万香港ドルの買い越しだった。
13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。前週末比10ドル50セント高の26,085ドル80セントで取引を終えた。新型コロナウイルスのワクチン開発が進展しているとの期待から買いが優勢となり、上げ幅は一時563ドルに達したが、午後に入るとハイテク株を中心に利益確定売りが出て、急速に伸び悩んで終えた。
本日の香港市場でハンセン指数は反落か。前日の米株式市場でハイテク株を中心に売りが膨らんだ流れで、香港市場でも利益確定売りが先行する展開となりそうだ。香港政府は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、15日からソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)措置を再び強化すると発表した。また6月に営業を再開したテーマパーク「香港ディズニーランド」も15日から再び一時閉鎖すると発表した。域内における新型コロナウイルスの感染拡大は投資家心理の重荷となりそうだが、株式市場では足もと好調な地合いが続いていることもあり、メリット、デメリット銘柄を選別物色する流れにつながるものと思われる。本日は中国の6月貿易統計が発表される予定。市場ではドル建ての輸出が前年比2.0%減(5月は同3.3%減)、輸入が同9.0%減(5月は同16.7%減)と、ともに前月からの改善が見込まれている。
(マーケット支援部 井上)
一進一退の展開を想定。貿易統計が中国景気の持ち直しを示す内容となるか注目
13日の中国本土株式市場は反発。上海総合指数の終値は前週末比59.9641pt高の3,443.2863ptとなり、前週末に割り込んだ心理的な節目の3,400pt台を再び回復、深セン成分指数の終値は同477.900pt高の14,149.144ptとなり、年初来高値更新となった。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆6700億元超と、6日連続で1兆5000億元を超えた。売買代金の増加は相場の先高観につながり幅広い銘柄に買いが入った。中小型株の上場が多い深セン株の上昇も、個人投資家の投資意欲が強いとの観測につながった。新興企業向け市場「創業板」指数の終値は前週末比3.99%高の2,889.426ptと、人民元ショックで中国株が急落する直前の2015年7月以来の高値を付けた。創業板の上場規制など市場改革が進むとの期待が買い材料となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで68億5000万元の買い越し。個別では、ラックスシェア(002475)、貴州茅台酒(600519)、伊利実業集団(600887)、江蘇恒瑞医薬(600276)、三一重工(600031)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、格力電器(000651)、中国中免(601888)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は一進一退の展開を想定も底堅さは継続か。足もと中国景気の持ち直しを見込む買いが強まっており、本日発表の貿易統計でその流れが確認できれば、騰勢を強める可能性もあろう。
(マーケット支援部 井上)