7日の香港株式市場でハンセン指数は5営業日ぶりに反落。終値は前日比363.50pt安の25,975.66ptと、前日に回復した節目の26,000ptを再び割り込んだ。朝方は米中などの景気回復を期待する買いが先行したものの、指数が前日に3.8%高と大幅に上昇していただけに、午後に入るといったん利益を確定しようとする売りが優勢となった。香港のメーンボードの売買代金は2399億香港ドルと前日(2507億香港ドル)からはやや減ったものの高水準だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで41億1900万香港ドルの買い越しだった。
7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落。前日比396ドル85セント安の25,890ドル18セントで取引を終えた。新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動の再開の動きが緩やかになるとの警戒が根強く、景気敏感株を中心に売りが優勢になった。ダウ平均は前日に3週間ぶりの高値で終えており、利益確定売りも出やすかったほか、このところ相場上昇をけん引してきたハイテク株にも利益確定売りが広がり、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落した。
本日の香港市場は続落か。前日の欧米株式市場が下落した流れを受け、軟調なスタートが予想される。ハンセン指数は直近の上昇で強気と弱気の境目とされる250日移動平均線まで値を戻す格好となっており、当面は250日線の位置する26,000pt近辺を意識した動きとなりそうだ。香港の衛生当局は7日、新たに14人の新型コロナウイルス感染が判明したと発表した。衛生当局の医師は会見で「ウイルス流行の第3波が来たといえる」と表現し、公共の場での集合制限など各種の規制措置を再び強化する必要があると指摘した。警戒材料となる可能性は留意しておきたい。
(マーケット支援部 井上)
反落か。利益確定売り優勢の展開を想定
7日の中国本土株式市場は続伸。上海総合指数の終値は前日比12.4562pt高の3,345.3369pt、深セン成分指数の終値は同222.259pt高の13,163.979ptとなり、上海総合指数は2018年2月以来約2年5カ月ぶり、深セン成分指数は2015年8月以来約4年11カ月ぶりの高値を付けた。中国経済の景気回復期待を背景に相場の先高観が一段と強まり買いが優勢となり、上昇率は上海総合指数で一時2%、深セン成分指数で一時3.5%を超える場面もあったが、その後は目先の利益を確定する売りに押されて伸び悩んだ。取引は活況で、上海市場と深セン市場を合わせた売買代金は1兆7398億元と、4営業日連続で1兆元を超えた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで98億4400万元の買い越し。個別では、格力電器(000651)、ラックスシェア(002475)、ハイクビジョン(002415)、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600270)、伊利実業集団(600887)、興業銀行(601166)、海天調味食品(603288)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、中国中免(601888)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は反落か。昨日までの上昇で上海総合指数、深セン成分指数ともに6日続伸となり、その間の上昇率もそれぞれ13.0%、12.0%となった。タイミング的にはそろそろ利益確定売りが優勢になる場面と思われる。材料の出た個別銘柄を選別物色する動きが強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)