8日の香港株式相場は反発。ハンセン指数の終値は前日比153.52pt高の26,129.18ptだった。中国景気の回復や海外資金流入への期待が強く、ハンセン指数は「強気相場」入りしたとの受け止めが広がった。利益確定売りに押されて下げる場面もあったが、中国本土市場が大引けにかけて上げ幅を拡大すると香港市場にも買いが波及した。中国ネットサービスのテンセント(00700)が連日で上場来高値を更新するなど、電子商取引のアリババ集団(09988)や京東集団(09618)といったネット株で上げる銘柄が多かったほか、中国平安保険(02318)、香港取引所(00388)、乳製品の中国蒙牛乳業(02319)などが買われた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで87億9700万香港ドルの買い越しだった。
8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発した。前日比177ドル10セント高の26,067ドル28セントで取引を終えた。米主要企業の決算発表シーズンが近づき、業績期待の買いがハイテク株に入った。新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感から前日終値を挟んでもみ合ったが、取引終了にかけて買いが優勢となった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も反発し、前日比148.61pt高の10,492.50ptと、2日ぶりに過去最高値を更新した。
本日の香港市場も利益確定売りをこなしながら堅調な展開が継続か。米国市場では、アリババ集団(09988)の米預託証券(ADR)が一時、前日比9.1%高の258.02ドルを付け、上場来高値を更新し、時価総額がSNS(交流サイト)のフェイスブック(FB)を上回った。市場の一部には中国景気の回復、企業業績の持ち直し、緩和的な金融環境、中国国営メディアの「健全な強気相場」促進報道などを背景に、中国株に対する強気の見方が広がっているよう。ハンセン指数は250日移動平均線(26,081pt)を下値抵抗ラインに強含みの動きとなりそうだ。本日は、日本時間10:30に中国の6月物価統計が発表される予定。市場ではCPIが前年比2.5%増(5月:同2.4%増)、PPIが同3.2%減(5月:同3.7%減)が見込まれている。
(マーケット支援部 井上)
しっかりの展開か。高水準の売買代金を背景に強気相場は継続か
8日の中国株式市場で主要株価指数は7日続伸。上海総合指数の終値は前日比58.1032pt高の3,403.4401pt、深セン成分指数の終値は同242.393pt高の13,406.372ptだった。上海総合指数の7日続伸は今年2月4日から12日以来、約5カ月ぶり。景気回復や金融市場改革への期待から株式市場の先高観が根強く意識された。香港との証券相互取引を通じて海外資金の流入が加速していることも投資家心理を明るくし、政策期待の強い銘柄や割安銘柄を物色する動きが続いた。売買代金は上海と深センの合計で約1兆5400億元超となり、連日で1兆元を超える高水準だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで11億5300万元の買い越し。個別では、格力電器(000651)、ラックスシェア(002475)、江蘇恒瑞医薬(600276)、伊利実業集団(600887)、興業銀行(601166)などが買い越しとなったほか、宜賓五糧液(000858)、歌爾(002241)、貴州茅台酒(600519)、中国中免(601888)、国金証券(600109)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場はしっかりの展開か。主要株価指数は連騰が続いており、一時的な調整も視野に入れたいところだが、基本的には高水準の売買代金を背景にした強気相場が続くと思われる。中国の6月物価統計が中国景気の回復期待を高める内容となれば、後押し材料として意識されそうだ。
(マーケット支援部 井上)