20日の香港株式相場は小幅に3日続伸。ハンセン指数の終値は前日比11.82pt(0.04%)高の24399.95ptだった。トランプ米大統領が米中貿易協議の第1段階の合意を破棄しない姿勢だと伝わり、米中関係への過度な懸念が一服した。利益確定売りも出て小幅安に転じる場面もあったが、時価総額の大きいネットサービスの騰訊控股(テンセント)が2%高となり、指数を押し上げた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで8億1700万香港ドルの買い越しだった。
20日の米株式相場は反発し、ダウ工業株30種平均は前日比369ドル04セント(1.5%)高の24575ドル90セントで終えた。米国で経済活動が徐々に再開され、米景気が回復に向かうとの期待が高まり、銀行や資本財など景気敏感株を中心に幅広い銘柄が買われた。
21日の香港株式市場でハンセン指数は続伸か。経済活動の再開期待を背景に運用リスクを取りやすくなった投資家の買いが入りそうだ。米連邦準備理事会(FRB)が発表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月28~29日開催分)では、参加者が追加緩和の検討で一致していたことが分かった。各国の中央銀行の金融緩和策は長期化するとの観測は根強いと思われ、香港市場でも支えとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
個別銘柄選別物色中心の展開を想定。政策関連銘柄に注目が集まりそう
20日の中国本土株式市場で主要株価指数は反落。上海総合指数の終値は前日に比べ14.8382pt(0.51%)安の2883.7378pt、深セン成分指数の終値は同104.370pt(0.94%)安の10948.477ptだった。22日開幕の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)を前に目先の利益を確定する売りが優勢となった。取引開始直後に発表された実質的な政策金利である5月の最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)は据え置きだった。2カ月連続での追加利下げはないとの事前予想が多かったため、発表後の市場の反応は限定的だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで20億3900万元の買い越し。個別では、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、三一重工(600031)、格力電器(000651)、歌爾(002241)、美的集団(000333)、ラックスシェア(002475)などが買い越しとなり、伊利実業集団(600887)、中国国旅(601888)、宜賓五糧液(000858)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は個別銘柄の選別物色中心の展開か。全人代の開幕を明日に控え、コロナ禍による景気の先行き懸念が根深いなか新規の経済対策が打ち出されるか見極めたいといったムードが強まりそうだ。昨日は、寧徳時代新能源科技(CATL)のトップが新エネ産業関連の政策を提案し全人代で審議される予定と伝わったこと等を背景に、リチウム電池関連銘柄の一部が買われる場面があった。本日も政策関連銘柄中心に個別銘柄を選別物色する動きが強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)