21日の香港株式相場は4営業日ぶりに反落。ハンセン指数の終値は前日に比べ119.92pt(0.49%)安の24280.03ptだった。中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)を前に、目先の利益を確定する売りに押された。米上場の中国企業や新型コロナウイルスを巡る米中対立への警戒も相場の重荷となった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで1億1100万香港ドルの買い越しだった。
21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比101ドル78セント(0.4%)安の24474ドル12セントで取引を終えた。経済活動の再開を期待した買いで午前中は上げる場面もあったが、前日までの5営業日で1300ドルあまり上昇しており、次第に利益確定売りが優勢になったほか、米中の関係悪化を警戒した売りも出た。
本日の香港市場でハンセン指数は上値の重い展開を想定。米中対立への警戒から前日の米国株が下落したことが重荷となりそうだ。本日は中国の全人代が新型コロナウイルスの影響で、予定から2カ月半遅れて開幕する。注目される2020年の国内総生産(GDP)の実質成長率の数値目標については、設定を見送る可能性が伝わっているが、市場の関心は新型コロナに対応する経済対策となろう。李克強首相による政府活動報告の内容に注目が集まりそうだ。また、米中対立の影響で米国に上場する中国企業の「香港市場回帰」加速のニュースが伝わっている。中国ゲーム大手の網易(ネットイース)が香港取引所に株式上場を申請したことが21日、分かったと報じられたほか、京東集団(JDドットコム)も香港に上場申請しているもよう。市場では、米中摩擦の激化でマネーの流れが変わると、香港市場が思わぬ恩恵を受けるといった見方が出ており、香港取引所(00388)や証券株など、関連銘柄に注目が集まる場面もありそうだ。
(マーケット支援部 井上)
方向感に乏しい展開か。全人代開幕、政府活動報告に注目
21日の中国本土株式相場は続落。上海総合指数の終値は前日比15.8141pt(0.54%)安の2867.9237pt、深セン成分指数の終値は同103.081pt(0.94%)安の10845.396ptだった。政府の活動方針を決める全人代の開幕を22日に控え、内容を見極めようと買いを手控える投資家が多かった。米国の対中強硬姿勢を受けて、米中関係の悪化を警戒した売りも出た。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで21億3100万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、海天調味食品(603288)、用友網絡科技(600588)、海爾智家(600690)、歌爾(002241)、格力電器(000651)、美的集団(000333)などが買い越しとなり、江蘇恒瑞医薬(600276)、中国国旅(601888)、伊利実業集団(600887)、宜賓五糧液(000858)ラックスシェア(002475)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は方向感に乏しい展開か。李克強首相による政府活動報告を受け、政策関連銘柄が個別に物色される展開となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)