27日の香港株式相場は反発。ハンセン指数の終値は前日に比べ131.94pt(0.56%)安の23484.28ptだった。26日の米株式市場で主要3指数が大幅に上昇したことや、20カ国・地域(G20)の首脳が26日夜のテレビ会議で、世界で感染が拡大する新型コロナウイルスの経済的な打撃に対処するため「5兆ドル超を投入する」と表明したことが投資家心理の支えとなった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで4億9500万香港ドルの買い越しだった。
27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反落。前日比915ドル39セント(4.1%)安の21636ドル78セントで取引を終えた。米国の新型コロナウイルスの感染者数が26日に中国を上回って世界最多となるなど、感染拡大が続いた。世界的に外出制限の動きが広がり、人や物の移動の停滞長期化による景気不安から売りが膨らんだ。米国の大型経済対策の早期実現への期待でダウ平均は26日までの3日間で2割超上昇していたため、週末を控えて短期的な利益を確定する売りも出た。
本日の香港市場は安寄り後、小動きの展開を想定。米国市場が反落した流れを受け、売り先行のスタートが予想される。明日(3/31)日本時間10:00に中国3月製造業PMI、同非製造業PMIの発表が予定されている。内容を見極めたいといった向きも多そうで、動きづらいムードが広がりそうだ。本日は、吉利汽車(00175)、中国中鉄(00390)、石薬集団(01093)、中国中車(01766)などが決算発表を予定している。決算内容を手掛かりとした物色中心の展開となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
方向感に乏しい展開か
27日の中国株式相場で主要指数はまちまちの動き。上海総合指数の終値は前日比7.2924pt(0.26%)高の2772.2033pt、深セン成分指数の終値は前日比45.453pt(0.44%)安の10109.906ptだった。新型コロナウイルスの感染拡大に対応し、中国内外で景気対策が打ち出されるとの期待が強まった。人民元相場の落ち着きも中国からの投資資金流出懸念を和らげ、海外投資家に選好されやすいとされる大型株に買いが入った。一方で、朝方発表の中国の1~2月の工業企業利益は大幅に悪化したことで、中国を含む世界景気の減速懸念はくすぶった。
香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで34億1500万元の買い越しだった。個別では、江蘇恒瑞医薬(600276)、貴州茅台酒(600519)、伊利実業集団(600887)、格力電器(000651)、ハイクビジョン(002415)などが買い越しとなり、上海機場(600009)、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は方向感に乏しい展開か。欧米市場の下落が投資家心理の重荷となりそうな一方で、内外の政策期待が支えとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)