26日の香港株式市場でハンセン指数は3営業日ぶりに反落。終値は前日比174.85pt(0.74%)安の23352.34ptだった。新型コロナウイルスの世界での感染拡大に歯止めがかからないなか、朝方に指数が上昇した場面での上値の重さを嫌気し、幅広い銘柄で売りが優勢となった。午後はこの日の中国・上海株の下落も重荷となり、さえない値動きが続いた。世界各国・地域が新型肺炎の感染防止措置として移動制限などを強化しており、ヒトやモノの動きが停滞することによる世界景気の減速懸念がくすぶった。香港のメーンボードの売買代金は1217億香港ドルとほぼ2週間ぶりの低水準となった。中国本土から香港株に投資する「ストックコネクト・サウスバウンド取引」は、成約ベースで18億2300万香港ドルの買い越しだった。
26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸。前日比1351ドル62セント(6.4%)高の22552ドル17セントと、13日以来ほぼ2週ぶりの高値で終えた。3日続伸は、ほぼ1カ月半ぶり。新型コロナウイルスに対処する大型経済対策が早期に実現するとの期待から、幅広い銘柄に買いが優勢となった。ダウ平均は、23日に付けた約3年4カ月ぶりの安値(18591ドル)から21%戻した。
本日の香港市場は方向感に乏しい展開か。欧米市場が上昇した流れを受け買い先行のスタートが予想される。一方で、中国政府から外国人入国禁止措置が発表されており、経済活動への影響を警戒する動きから上値を追う動きは限定的と思われる。決算内容を手掛かりとした物色中心の展開となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
もみあいか
26日の中国株式相場は3日ぶりに反落。上海総合指数の終値は前日比16.6804pt(0.59%)安の2764.9109pt、深セン成分指数の終値は前日比85.717pt(0.83%)安の10155.359ptだった。相場全体を動かすような取引材料が乏しいなか、目先の利益を確定する目的の売りが優勢となった。ただ預金金利引き下げなどの景気下支え策への期待は根強く、指数の下値は限られた。上海と深セン市場の売買代金は合計6423億元で、前日から約14%減少した。香港から中国本土株に投資する「ストックコネクト・ノースバウンド取引」は、成約ベースで13億5700万元の売り越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、用友網絡科技(600588)、格力電器(000651)などが買い越しとなり、海天調味食品(603288)、興業銀行(601166)、ラックスシェア(002475)、宜賓五糧液(000858)などが売り越しとなった。
本日の中国市場はもみあいか。香港市場同様、欧米市場の上昇を好感も、中国政府による外国人入国禁止措置が警戒材料として意識されそうだ。
(マーケット支援部 井上)