30日の香港株式市場でハンセン指数は反落。終値は前週末比309.17pt(1.31%)安の23175.11ptだった。前週末の欧米株相場や、この日の中国を含むアジアの株式相場の下落を嫌気し、新型コロナウイルスの感染拡大による世界景気の停滞を懸念する売りが広がった。投資家のリスク回避姿勢が強まり、ハンセン指数は終日軟調に推移した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで38億5500万香港ドルの買い越しだった。
30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発。前週末比690ドル70セント(3.2%)高の22327ドル48セントで取引を終えた。米政府の大規模な経済対策が前週成立し、景気への過度な懸念が後退したうえ、新型コロナウイルスのワクチン開発への期待も高まり、買いを後押しした。月末とあって、今月の急落で低下した株の構成比を元に戻すリバランスの買いも入りやすかった。
本日の香港市場は日本時間10:00発表予定の中国3月製造業PMI、同非製造業PMIの内容を受けての展開を想定。PMIは前月急低下したものの、政府の景気対策で低下に歯止めが掛かれば、安心感につながる可能性もあろう。市場予想は製造業PMIが44.8、非製造業PMIが42.0となっている。
(マーケット支援部 井上)
PMIが安心感につながるか
30日の中国株式相場は反落。上海総合指数の終値は前週末比24.9895pt(0.90%)安の2747.2138pt、深セン成分指数の終値は同204.955pt(2.02%)安の9,904.951ptだった。新型コロナウイルスの感染急拡大で世界景気の停滞への警戒感が強まった。中国は新型コロナの感染拡大が抑えられているものの、外需の低迷などで景気回復が順調に進まないとの懸念が意識された。中国共産党は27日の中央政治局会議で、財政赤字の拡大や特別国債の発行を容認し、中国人民銀行(中央銀行)も売却条件付き債券購入(リバースレポ)の金利を引き下げたが、市場では目立った反応はみられなかった。
香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで1億2600万元の売り越しだった。個別では、江蘇恒瑞医薬(600276)、格力電器(000651)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(600519)、中国国旅(601888)、三一重工(600031)、美的集団(000333)、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)などが売り越しとなった。
本日は日本時間10:00に中国3月製造業PMI、同非製造業PMIが発表される予定。前月急低下したPMIが政府の景気対策で低下に歯止めが掛かれば、安心感につながろう。
(マーケット支援部 井上)