8日の香港市場でハンセン指数は0.82%安の28087.92ptで終えた。イランによるイラク米軍基地への攻撃を受け、米国とイランの対立激化への警戒感が強まった。トランプ米大統領は日本時間8日夜、イラン攻撃を巡り声明を公表する予定と伝わり、持ち高を減らす目的の売りも出たようだ。
中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで11億3000万香港ドルの買い越しとなった。
8日の米国市場でダウ平均は前日比161ドル41セント(0.6%)高の28745ドル09セントで終えた。トランプ米大統領の武力行使を否定する演説を受けて買い安心感が広がった。
トランプ大統領は8日午前の演説で、前日夜のイランによる攻撃に対し「我々の軍事力を行使したくはない」と述べ、一方、イランのザリフ外相も前日の攻撃後、「我々は事態の深刻化も戦争も求めていない」とツイッターに投稿しており、市場では武力衝突への可能性が後退したと受け止められた。
本日の香港市場は、米国とイランの武力衝突の可能性が後退したことを受け、投資家心理が改善され、落ち着いた展開となろう。
また、本日は日本時間午前10時30分に中国国家統計局から2019年12月のCPI、同PPIの発表が予定されている。
(マーケット支援部 飯田)
買い戻しの展開か
8日の中国市場で上海総合指数は1.22%安の3066.8925ptで終えた。前日に回復した心理的な節目の3100ptを再び割り込んだ。米国とイランの対立が深刻さを増すとの懸念から、中国市場でも投資家がリスク回避姿勢を強めるとの見方が広がった。指数が約8カ月半ぶりの高値圏にあり利益確定売りも出やすかった。深セン成分指数も1.13%安の10706.87ptと7営業日ぶりに反落した。
香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで14億2300万元の買い越しだった。
個別では、江蘇恒瑞医薬(600276)、内蒙古伊利実業(600887)、珠海格力電器(000651)、美的集団(000333)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(600519)、三一重工(600031)、宜賓五糧液(000858)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は、米国とイランの衝突に対する警戒感の後退から、投資家心理は一旦落ち着きを見せ、買い戻しの展開となろう。
(マーケット支援部 飯田)