9日の香港市場でハンセン指数の終値は1.68%高の28561.00ptと、この日の高値で終えた。2019年7月25日以来およそ5カ月半ぶりの高値水準となる。イラクの米軍基地へのイランの攻撃に関し、トランプ米大統領は報復のための軍事力行使に慎重な姿勢を示した。中東情勢の懸念後退から買い安心感が広がった。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで13億6300万香港ドルの買い越しだった。
9日の米国市場でダウ平均は前日比211ドル81セント(0.7%)高の28956ドル90セントと過去最高値を更新した。中東情勢を巡る懸念の後退や、米中の貿易協議の進展期待から買いが優勢となった。
トランプ米大統領は9日、中国との貿易交渉に関して「すぐに『第2段階』を始める」と述べ、第1段階で合意後速やかに未解決の構造問題を話し合うことに改めて意欲を表明したと伝わっている。
本日の香港市場は、米株高と米中貿易協議の進展を好感した買い優勢の展開となろう。
(マーケット支援部 飯田)
買い優勢の展開か
9日の中国市場で上海総合指数の終値は0.91%高の3094.8819ptだった。米国とイランの軍事衝突が回避されるとの見方から積極的に運用リスクをとる動きが広がった。米中貿易協議での「第1段階の合意」の署名式を来週に控え、ストックコネクトを通じた海外資金の流入も相場を支えた。深セン成分指数も1.79%高の10898.17ptと反発した。
香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで75億5100万元の買い越しだった。
個別では、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、中国国旅(601888)、内蒙古伊利実業(600887)、珠海格力電器(000651)、美的集団(000333)、宜賓五糧液(000858)などが買い越しとなり、杭州ハイクビジョン(002415)などが売り越しとなった。
中国国営メディアによると、米中通商協議の中国側代表を務める劉鶴副首相が今月13-15日に米ワシントンを訪問し、「第1段階」の合意書に署名すると伝わっている。
本日の中国市場は、米中貿易協議進展への期待感が相場の支えとなり、買い優勢の展開となろう。
(マーケット支援部 飯田)