7日の香港市場でハンセン指数は0.33%高の28322.06ptで終えた。前日の米株高を受けて中東情勢への警戒がやや後退し、押し目買いが入った。時価総額の大きいテンセント(00700)が買われ、相場を支えた。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで27億8500万香港ドルの買い越しだった。
7日の米国市場でダウ平均は前日比119ドル70セント(0.4%)安の28583ドル68セントで終えた。米軍によるイラン革命防衛隊司令官の殺害に対し、イランが米国に報復する考えを示すとともに、米国も対抗する構えで、中東情勢への警戒感が相場の重荷となった。
本日朝方の報道で、イランが米国とイラクの合同空軍基地にロケットを数十発発射したと伝わっており、本日の香港市場は中東情勢の緊迫化から、売り先行の展開となろう。
(マーケット支援部 飯田)
売り優勢の展開か
7日の中国市場で上海総合指数は3営業日ぶりに反発し、終値は0.69%高の3104.8015ptと、心理的な節目の3100ptを2019年4月25日以来およそ8カ月半ぶりに回復して終えた。米国とイランの対立による中東情勢悪化への懸念がやや和らぎ、幅広い銘柄に買いが入った。今月中旬に予定される米中貿易協議の「第1段階の合意」への署名を前に、投資家が運用リスクを選好する姿勢を強めたようだ。深セン成分指数は1.22%高の10829.05ptと6営業日続伸し、深セン総合指数は1.30%高の1791.852ptで、18年5月28日以来およそ1年7カ月ぶりの高値、「創業板」指数は1.79%高の1893.214ptと、18年4月2日以来およそ1年9カ月ぶりの高値だった。
香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで45億700万元の買い越しだった。
個別では、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、内蒙古伊利実業(600887)、中国国旅(601888)、珠海格力電器(000651)、宜賓五糧液(000858)、美的集団(000333)、杭州ハイクビジョン(002415)などが買い越しとなり、三一重工(600031) などが売り越しとなった。
本日の中国市場はイランによる米国とイラクの空軍基地へのロケット攻撃報道を受け、リスク回避の売りが優勢となろう。指数が高値圏にあることから、利益確定売りに上値を押さえられる展開も想定しておきたい。
(マーケット支援部 飯田)