香港市場
【3月回顧】ハンセン指数は一時17,000pt回復
中国当局への政策期待や売られ過ぎの反動などから、香港株は月前半に上昇が加速する場面もあった。ハンセン指数は12日に17,000ptを突破し、約3カ月半ぶりの高値を付けた。その後は米長期金利の上昇や米中関係の悪化懸念などが重しとなり、下落基調に転じた。サウスバウンド経由の中国マネーは積極的に押し目買いを入れ、22日時点までの買い越し額は2月の245億HKD から774億HKDに膨らんだ。
個別銘柄では、京東(09618)は好決算や自社株買い発表を受けて買われた一方、舜宇光学科技(02382)は市場予想を下回る決算発表で失望売りを浴びた。
【4月見通し】不安定な動きも底堅い展開を想定
4月の香港市場は、不安定な動きが想定される。
12月期本決算の発表シーズンが終了したことで、投資家の関心は再び国内外のマクロ動向に向けられよう。米早期利下げ観測の後退、中国経済の先行き不安や米ドル高・人民安への警戒感などから、上値の重い展開になりそうだ。一方、香港株のバリュエーションは歴史的な低水準(3/22時点、ハンセン指数のPBRは1倍割れ、PERは8倍台)にあり、値ごろ感からの買い戻しは引き続き相場を下支えしよう。中国マネーの売買動向に注目。
1日はイースターマンデー、4日は清明節で休場となる。
(3/22記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【3月回顧】上海・深セン共にじわり値を戻す
3月の中国市場で各指数は値を戻す動きが続いた。上海総合指数は21日に一時3,090ptまで上昇。深セン成分指数は19日に9,785ptまで買われ、10,000ptに迫った。全人代で特段のサプライズはなかったが、1日当たり売買代金が1兆元超となる日が増え、投資家マインドの改善がうかがえる。外資によるA株買越額は167億元(月初~3/22まで)で、2月(607億元)に続き月間買い越しとなりそう。半導体製造設備の北方華創科技集団(ナウラ・テクノロジー、002371)が300元台を回復。米中対立を背景に、国産メーカーの注目度が高まっているようだ。
【4月見通し】利益確定売りこなし神経質な展開か
4月の中国市場で各指数は利益確定売りをこなしながら神経質な値動きになりそうだ。ただ、売り一服後は再び値を戻す展開になると見る。上海総合指数は3,200pt、深セン成分指数は10,000ptの回復も視野に入ろう。月末にかけて23年決算発表が出揃うため、個別物色も進みそう。対米ドルでの人民元安が続けば、立訊精密工業(002475)や美的集団(000333)など海外売上比率が高い銘柄・セクターへの物色が進む可能性もある。北京モーターショー(4/25~5/4)や労働節連休を前に自動車・レジャー関連株も注目されよう。
(3/22記:上海駐在員事務所 奥山)