香港市場
【1月回顧】ハンセン指数は約1年3カ月ぶり安値
中国経済の先行き不安や米早期利下げ観測後退などを背景に、香港市場は大きく値を下げた。ハンセン指数は22日に15,000ptを割り込み、約1年3カ月ぶりの安値を付けた。その後は、中国当局による市場救済への期待等から買戻しを強める場面があった。サウスバウンド経由の中国マネーは214億HKDの買い越し(25日時点)と、下値での押し目買い意欲が強いものの、買い上がる勢いは乏しかった。
個別銘柄では、ディフェンシブ性の強い中国移動(00941)など通信大手は上昇した一方、百度集団(09888)は米制裁懸念で一時急落した。
【2月見通し】神経質ながらも底堅い展開を予想
2月の香港市場は、神経質ながらも底堅い展開か。
投資家のセンチメント回復にはまだ時間を要する可能性があるが、香港株のバリュエーションは歴史的な低水準(1/25時点、ハンセン指数のPBRは約0.9倍、PERは8倍台)に落ち込んでいるため、更なる下落余地は限定的と考える。3月の全人代開催を控え、根強い政策期待も相場を下支えしよう。
決算発表シーズン入りを控え、企業業績への関心は徐々に高まろう。業績のガイダンスや内容を手掛かりとした個別物色の動きは強まりそうだ。
12~13日は春節で休場となる。16日に四半期ごとの指数構成銘柄の見直し結果が発表される予定。
(1/26記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【1月回顧】売り優勢、上海は3年9カ月ぶり安値
1月の中国市場で各指数は大幅安。上海総合指数は23日に約3年9カ月ぶり安値の2,724ptまで売られた。深セン成分指数は同日に約4年11カ月ぶり安値の8,402ptまで下落。中国の10~12月期GDP(前年同期比5.2%増)が市場予想(5.3%増)を下回り、景気減速懸念が高まった。「スノーボール」と呼ばれるデリバティブ商品の強制売却が起き、株安を助長した。一方、政策期待も根強い。中国人民銀行が24日、預金準備率の0.5%引き下げを発表(2/5発効)。政府が約2兆元の株式安定化基金を設立する観測も浮上し、月後半に買い戻される場面も見られた。
【2月見通し】自律反発なるか、好業績銘柄に注目
2月の中国市場で各指数は自律反発が強まりそうだ。1月以降の下落ペースが速く、割安感からの買い戻しも入りやすいだろう。上海総合指数は3,000pt、深セン成分指数は9,000ptの回復が視野に入る。金融緩和ムードの高まりが相場の下支え材料となろう。23年12月期の決算発表を控え、業績相場の側面も出てきそうだ。精密減速機などを手掛ける浙江双環伝動機械(002472)が最大40.87%増益、立訊精密工業(002475)が同22.5%増益などを発表済み。春節(旧正月)休暇前後に旅行関連株も賑わいそう。
2月9日から16日は春節で休場となる。
(1/26記:上海駐在員事務所 山藤)