香港市場
【4月回顧】緩やかな下落基調が続いた
香港市場は、上海での新型コロナ感染急拡大、金融緩和策に対する失望感や米国債利回りの急上昇などを背景に緩やかな下落基調が続いた。ハンセン指数は19日、終値ベースで約1カ月ぶりの安値を付けた。20日時点、ストックコネクト経由の中国本土マネーの買い越し額は約68億HKDにとどまり、3月の約489億HKDから大幅に細った。
個別銘柄では、製品出荷量に回復の兆しが見られていない舜宇光学科技(02382)は大きく下落した。一方、4月21日に上海A株市場に重複上場する中国海洋石油(00883)は堅調だった。
【5月見通し】不安定な動きも底堅い展開を想定
5月の香港市場は、不安定な動きが続きそうだ。国内景気の減速懸念は引き続き相場の重荷となるほか、米FRBは5月の会合で金融引き締めを加速する見通し。投資家のリスク回避姿勢が一段と強まる可能性には注意を払う必要があるが、バリュエーション面での割安感から下値余地は限定的と考える。
1~3月期の決算発表にも注目したい。中芯国際集成電路製造(SMIC、00981)は12日、テンセント(00700)は18日に決算発表を予定。
2日は労働節の翌日、9日は仏誕節の翌日で休場となる。20日にハンセン指数の構成銘柄の見直し結果が発表される予定。
(4/20記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【4月回顧】景気後退懸念で下落基調
4月の中国市場で各指数は軒並み下落。上海総合指数は12日に約1カ月ぶりの安値3,140ptまで売られた。深セン成分指数も20日に約1カ月ぶり安値となる11,360ptまで下落。上海のロックダウン長期化に伴う景気減速懸念などが相場の重し。中国人民銀行は15日、預金準備率の0.25pt引き下げを発表したが(実施は25日)、予想より小幅だったことで相場の後押し効果は限定的だった。経済の下振れリスクに敏感な海外投資資金のリスク回避の動きも目立った。外資によるA株売越額は65億元(4/20まで。3月は450億元売り越し)に上っている。
【5月見通し】下値は限定的か、高まる政策期待
深セン成分指数:9,000~11,000pt
5月の中国市場で各指数は底値固めの展開となりそう。「ゼロコロナ政策」による経済活動の停滞懸念が引き続き相場の変数。ただ、好業績銘柄や積極的に自社株買いを行う大型優良株を中心に自律反発も想定される。上海を中心に経済・生産活動が徐々に回復してくれば、海外投資資金の再流入も考えられる。自動車や家電分野の消費刺激策への期待感から、上海汽車集団(600104)や海爾智家(600690)などが物色される場面もありそう。一方、中国各地での行動制限などの影響で旅行セクターは厳しい状況が続きそう。2~4日は労働節関連の祝日で休場となる。
(4/20記:上海駐在員事務所 山藤)