香港市場
【2月回顧】上値の重い展開となった
香港市場は、強まる米早期利上げ観測やウクライナ情勢への警戒感などを背景に、上値の重い展開となった。ハンセン指数は10日に25,000 ptを回復した場面があったが、概ね24,000pt台のボックス圏内で推移した。サウスバウンド(中国本土⇒香港)経由の中国マネーは1月の約438億HKDの買い越しから約24億HKDの売り越しに転じた(18日時点)。
個別銘柄では、薬明生物技術(02269)は、米制裁リスト入りとの報道で急落した。一方、リスク回避姿勢が強まる中、大手金鉱会社の紫金鉱業集団(02899)は大きく上昇した。
【3月見通し】不安定な外部環境と決算発表に注目
3月の香港市場は、方向感に乏しい展開が続きそうだ。緊迫化するウクライナ情勢が引き続き警戒されるほか、米FRBは3月の会合で利上げを決定する見通し。投資家のリスク回避姿勢が一段と強まる可能性には、注意を払う必要があろう。
本格的な決算発表シーズン入りで、決算内容を手掛かりとした個別物色の流れが強まりそうだ。1日に百度集団(09888)、22日に安踏体育用品(02020)、23日にテンセント(00700)と吉利汽車控股(00175)が21年12月期の本決算を発表する予定。
5日から全国人民代表大会(全人代)が開催予定。政策がらみの銘柄にも注目が集まろう。
(2/18記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【2月回顧】底堅く推移、上海は3,500ptを回復
2月の中国市場で各指数は底堅く推移した。春節明け後に上海総合指数は4営業日続伸し、11日には一時節目の3,500ptまで上昇。深セン成分指数は13,500ptを挟んで狭いレンジでのもみ合いとなった。ウクライナ情勢の緊迫化や新型コロナの感染拡大が相場の足かせ。一方、「国家隊」と呼ばれる政府系資金の買い支えや政策期待の高まりなどが下支え材料となった。1日当たり売買代金(上海+深セン)は節目の1兆元割れが続き、流動性はやや細り気味。海外投資資金の買越額は83億元(月初~2/18まで。1月は167億元の買い越し)にとどまっている。
【3月見通し】上値うかがう展開、国策関連に注目
深セン成分指数:12,500~15,000pt
3月の中国市場で各指数は上値をうかがう展開になりそうだ。全人代(5日開幕)を機にデジタル経済や新エネなど政策関連セクターが物色されれば相場の後押し材料になりえる。上海総合指数は3,600pt台の回復も視野に入る。一方、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクなどが引き続き相場の変数となろう。
月後半に集中する決算発表を機に業績相場の側面も見られそうだ。21年12月期で最大59%増益見通しの歌爾(002241)や同170%増益見通しの上海璞泰来新能源科技(プータイライ、603659)など好業績銘柄の値動きに注目したい。
(2/18記:上海駐在員事務所 山藤)