香港市場
【1月回顧】見直し買いが活発化し、堅調な推移
香港市場は月初、ネット業界に対する規制強化の動きなどを受け、ハンセン指数は5日に23,000ptを割り込む場面もあったが、その後は割安感に着目した見直し買いや中国当局の金融緩和姿勢の強化などを背景に、堅調な動きとなった。サウスバウンド(中国本土⇒香港)経由の買い越し額は368億香港ドル(約5370億円)だった(24日時点)。
個別銘柄では、瑞声科技控股(02018)が大幅減益見通しの発表で急落した。一方、中国平安保険(02318)など金融株やペトロチャイナ(00857)など資源株は軒並み高となった。
【2月見通し】外部環境にらみ、神経質な展開か
2月の香港市場は、外部環境を睨みながら、神経質な展開を想定する。米金融引き締めの前倒し観測やウクライナを巡る地政学リスクへの警戒感などから投資家がリスク回避姿勢を強め、世界の株式市場は不安定な動きが続きそうだ。
また、決算発表シーズン入りを控え、業績のガイダンスや内容を手掛かりとした個別物色の動きが活発になりそうだ。24日に香港証券取引所(00388)が決算を発表する予定。
18日にハンセン指数の構成銘柄の見直し結果が発表される予定。
1日~3日は、旧正月(春節)で休場となる。
(1/24記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【1月回顧】追加緩和も株は下落、外資流入は継続
1月の中国市場で各指数は右肩下がりの展開となった。上海総合指数は24日に約2カ月半ぶりの安値となる3,500ptまで下落。深セン成分指数も同日、約半年ぶりに節目の14,000ptを割り込んだ。新型コロナのオミクロン株の感染拡大が投資家心理をやや冷やしたようだ。中国人民銀行が2カ月連続で利下げ(LPRの1年物を3.8⇒3.7%)を行ったが、相場の下支え効果は限定的。ただ、1日当たり売買代金(上海+深セン)は20日まで15営業日連続で1兆元超となり、海外投資資金も24日まで7営業日連続で買い越すなど、流動性自体は潤沢だった。
【2月見通し】もみあいか、巣ごもり関連に注目
深セン成分指数:12,000~15,000pt
2月の中国市場で各指数は低位もみ合いか。コロナの影響による外出・移動規制で消費など経済の下押し圧力が強まれば、相場のネガティブ材料として捉えられるだろう。一方、海外投資資金の流入は続きそうで下値も限定的か。上海総合指数は3,500ptを割り込むと買い戻しの動きが意識されそうだ。
「巣ごもり」関連でクラウドに強みを持つ用友網絡科技(600588)などが注目されよう。全人代(3/5開幕)前の政策期待から啓明星辰信息技術集団(002439)などデジタル経済関連も物色対象か。
1月31日~2月4日は、旧正月で休場となる。
(1/24記:上海駐在員事務所 山藤)