香港市場
【9月回顧】ハンセン指数は年初来安値を更新
香港市場は、プラットフォーム企業に対する当局による規制・監督強化の動き、中国不動産企業の債務リスクに対する懸念の広がりや経済指標の悪化などで中旬頃以降は下落基調を強めた。ハンセン指数は20日に24,000ptを割り込み、終値ベースで年初来安値を更新した。ただ、ストックコネクト経由の中国マネーは95億HKDの買い越しに転じた(24日時点、8月は198億HKDの売り越し)。
個別銘柄では、資金繰り難に陥った中国恒大集団(03333)が大きく下落した。一方、当局の低炭素エネルギー推進などで、電力株は軒並み高となった。
【10月見通し】センチメントの改善を待つ局面
10月の香港市場は、不安定な動きが続く可能性が高いと見られるものの、底堅い展開になろう。
中国恒大集団の債務危機及びその連鎖リスクへの警戒感や当局のプラットフォーム企業に対する統制の先行き不確実性などは引き続き相場の重荷となろう。当面、積極的な買いにつながる好材料は見当たらず、市場センチメントの改善を待つ局面になると考える。ただ、世界の主要株式指数と比べてバリュエーション面での割安感が強まっているため、ハンセン指数は上値の重い展開になるかもしれないが、下値も限定的と見ている。
1日は国慶節、14日は重陽節で休場となる。
(9/24記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【9月回顧】上海は7カ月ぶり高値、後半売り優勢
9月の中国市場で各指数は月中盤まで買い優勢の展開。上海総合指数は14日に約7カ月ぶり高値の3,723ptまで上昇した。ただ、その後は高値警戒感から利益確定売りが膨らんだ。深セン成分指数も同日、約1カ月ぶり高値の14,844ptまで買われた。1日当たり売買代金(上海+深セン)は24日まで46営業日連続で1兆元超と大商いだった。恒大集団の資金繰り懸念の影響はA株市場では限定的だった。
需給がひっ迫状態の電池部材は引き続き好調。上海璞泰来新能源科技(603659)が17日、一時200.29元まで上昇し、上場来高値を更新した。
【10月見通し】もみ合い推移か、VR関連に注目
深セン成分指数:13,500~16,000pt
10月の中国市場で、上海総合指数は3,650pt前後、深セン成分指数は15,000pt前後でのもみ合い継続となりそうだ。新型コロナの感染再拡大による消費の減速懸念が引き続き相場の変数になりそうだ。
月後半に集中する7~9月期決算発表を機に業績相場の側面も見られそうだ。最大40%増益見通しを発表済みの歌爾(002241)などに注目したい。19~20日に江西省南昌市で開催される「世界VR産業大会」ではスポーツや健康などとの融合がテーマとなっており、関連セクターが盛り上がりそうだ。
1日から7日までは国慶節で休場となる。
(9/24記:上海駐在員事務所 奥山)