香港市場
【8月回顧】10カ月ぶりの安値を更新
香港市場は、月初は緩やかな戻り歩調を辿ったが、当局による規制強化や中国景気の回復鈍化などが嫌気され、中旬以降は下落基調に転じた。ハンセン指数は20日に25,000ptを割り込み、およそ10カ月ぶりの安値を付けた。その後は、割安感から買戻しの動きが広がった。24日時点、ストックコネクト経由の中国マネーの売越額は15億HKDと7月の635億HKDから大きく縮小した。
個別銘柄では、中国光大環境(集団)(00257)など好決算発表銘柄の一角に買いが集まった。一方、金山軟件(03888)は大幅減益決算で急落した。
【9月見通し】徐々に底堅さを増す展開か
9月の香港市場は、不安定な動きが続く可能性が高いと見られるものの、徐々に底堅い展開となろう。
ネット企業に対する統制強化、米国の量的緩和の縮小見通しや新型コロナ変異株の感染拡大による世界景気の回復の遅れ懸念などは相場の重荷となろう。市場センチメントの改善を待つ局面とみるが、割安なバリュエーションが相場の支えとなろう。ハンセン指数のPBR(株価純資産倍率)は1.0倍、予想PER(株価収益率)は12.3倍(8/24時点)となっており、買い戻しの動き活発化に期待したい。
李寧(02331)など3銘柄が6日付でハンセン指数に新規採用される。22日は中秋節の翌日で休場。
(8/25記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【8月回顧】売買交錯、1兆元台の大商いは継続
8月の中国市場は売り買いが交錯。教育産業規制などで大幅安になった7月後半に比べると落ち着きを取り戻した。上海総合指数は3,500pt前後、深セン成分指数は14,500pt前後でもみ合った。1日当たり売買代金(上海+深セン)は25営業日連続(7/21~8/24)で1兆元超と大商いが継続。一方、新型コロナの感染再拡大が足かせになる場面もあった。
電池関連株が相変わらず高い。国軒高科(002074)が6日、上場来高値となる65.98元まで上昇。21年6月中間期で前年同期比294%増益だった上海璞泰来新能源科技(603659)も高値圏で推移した。
【9月見通し】上値やや重いか、膨らむ信用買い残
深セン成分指数:13,500~16,000pt
9月の中国市場で各指数は上値がやや重い展開も、安定的に推移しそうだ。上海総合指数は中期的に年初来高値3,731ptを目指す動きとなろうが、足元で増加中の信用取引の買い残が懸念材料。上海と深センの合計額は直近6年で最大の1兆7000億元近くまで膨らんでおり、上値を抑える要因になり得よう。
夏場に一時再拡大した新型コロナは抑制が進み、秋の行楽シーズンも控えていることから、観光・消費関連株が見直される動きになるか。関連株は中国旅遊集団中免(601888)や春秋航空(601021)など。
20日と21日は中秋節関連の祝日で休場。
(8/25記:上海駐在員事務所 奥山)