香港市場
【10月回顧】右肩上がりの上昇基調を維持
中国当局によるネット企業への規制圧力が峠を越えたとの認識の広がりやバリュエーション面での割安感などを背景に、香港市場は右肩上がりの上昇基調を続けた。ハンセン指数は20日に26,000ptを突破し、9月10日以来の高値を付けた。ストックコネクト経由の中国マネーは109億HKDの買い越しとなった(10/22時点)。
個別銘柄では、アリババ集団(09988)などネット大手は大幅反発。BYD(01211)などEV(電気自動車)株も軒並み高となった。一方、スポーツ用品大手の安踏体育用品(02020)は冴えなかった。
【11月見通し】利食い売りこなして上値試す展開へ
1月の香港市場は、急ピッチな上昇で利食い売りが出やすい状況にあるが、上値を試す展開を想定。
中国恒大集団(03333)の債務危機や当局によるネット企業に対する規制圧力などに対する市場の過度な警戒感は後退しており、相場全体の地合いが改善していると言えよう。
7~9月期の決算発表にも注意を払いたい。決算内容次第では、個別物色の動きが強まりそうだ。10日にテンセント(00700)、11日に中芯国際集成電路製造(SMIC、00981)が決算を発表する予定。
19日にハンセン指数の構成銘柄の見直し結果が発表される予定。
(10/25記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【10月回顧】上値が重く狭いレンジでもみ合い推移
10月の中国市場は一進一退の展開。上海総合指数は3,600pt、深セン成分指数は14,500ptを挟んでもみ合いとなった。国慶節連休中の堅調な消費や対米ドルでの元高基調(約4カ月ぶりの高値水準)などが相場の下支え材料。ただ、中国の7~9月期GDPが前年同期比4.9%増と市場予想(同5.2%増)を下回ったこと、不動産市場で強まる引き締め懸念などが相場の足かせとなった。
電力自動化大手の国電南瑞科技(600406)が25日に40.15元まで上昇し、上場来高値を更新。太陽光など新エネ発電の後押し政策が好感されている。
【11月見通し】上値を目指す展開、国策関連に注目
深セン成分指数:14,000~15,500pt
11月の中国市場で上海総合指数は3,700pt、深セン成分指数は15,000ptを目指す展開か。好業績銘柄を物色する動きが強まろう。中国共産党による今後の重要方針を決める会議「6中総会」が開催予定(11/8~11)。新エネや半導体など国策関連セクターが盛り上がれば相場の後押し材料となりそうだ。一方、中国各地で新型コロナ感染が再拡大しており、旅行関連セクターに影響を与えると見られる。
「独身の日」(11日)前後にネット通販が盛り上がる季節でもあり、宅配大手の順豊控股(002352)など関連株の値動きを注視したい。
(10/25記:上海駐在員事務所 山藤)