香港市場
【5月回顧】一時大幅安も総じて底堅い展開
香港市場は、米消費者物価指数(CPI)の上振れや中国の金融引き締めに対する警戒感などで一時的に大きく売られ、ハンセン指数は13日に27,800ptを割り込み、約4カ月ぶりの安値を付けた。その後は、ストックコネクト経由の中国本土マネーの持続的な資金流入などで切り返す動きが見られ、ハンセン指数は28,000ptを回復し底堅い展開を続けた。
個別銘柄では、中国オンライン旅行大手の同程藝龍控股(00780)が好決算で、中国通信最大手の中国移動(00941)は上海証券取引所重複上場計画発表を好感して18日にそれぞれ大きく買われた。
【6月見通し】中国マネーの流入は相場の支えか
6月の香港市場は、不安定な値動きが予想されるものの、底堅い展開を想定している。
新型コロナワクチンの接種と景気回復が進展する米国では、インフレ懸念で金融政策の正常化観測が高まっているため、外部環境には注意を払いたい。一方、流入基調が続いている中国本土マネーは引き続き株式市場の支えとなろう。大きく下落する場面があれば、そこは押し目買いの好機と捉えたい。
7日付でBYD(01211)など3社がハンセン指数に、汽車之家(02518)とビリビリ(09626)がハンセンテック指数に、それぞれ新規採用される予定。14日は端午節で休場となる。
(5/25記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【5月回顧】上海は2カ月半ぶりに3,500pt回復
5月の中国市場で各指数は堅調な展開となった。上海総合指数は一時3,400ptを割り込むも、その後は再び騰勢となり、17日には約2カ月半ぶりに節目の3,500 ptを回復。深セン成分指数も21日に約2カ月半ぶりの高値14,634ptまで買われた。中国政府による非正規の信用取引「場外配資」への引き締めが伝えられたが、影響は限定的。4月の生産者物価指数(PPI)が市場予想を上回る上昇となり、中国経済回復への期待が高まったことが市場で材料視された。
科大訊飛(002230)が25日に60元を突破し、上場来高値を更新。増資計画の進展が好感されている。
【6月見通し】上昇一服からの高値もみ合いか
深セン成分指数:12,500~16,000pt
6月の中国市場で各指数は上昇が一服し、高値圏でのもみ合い推移か。上海総合指数は3,500pt前後、深セン成分指数は14,500pt前後で売り買いが交錯すると見られる。大規模なロックアップ解除も予定され、需給悪化懸念が上値を抑えそうだ。
京東の「618セール」を機にネット通販が盛り上がる時期に当たり、宅配大手の順豊控股(002352)などの値動きを注視したい。端午節連休(6/12~14)もあるため春秋航空(601021)など旅行関連株にも注目。5月の労働節連休中の旅客数はコロナ前の水準を上回るなど旅行市場は上げ潮ムードにある。
(5/25記:上海駐在員事務所 山藤)