香港市場
【4月回顧】落ち着きを取り戻し、指数は一進一退
香港市場は、落ち着きを取り戻し、狭いレンジ内で方向感に欠ける展開となった。ハンセン指数は概ね28,000pt台後半で推移。3月に売り越しに転じたストックコネクト経由の中国本土マネーは4月は買い越しとなり(22日現在、362億香港ドルの資金流入)、相場の支えとなった。米国に上場する中国企業の「香港回帰」の動きが続き、中国最大の旅行予約サイト携程集団(09961)は19日に重複上場した。
個別銘柄では、旅行需要の回復期待で同程藝龍控股(00780)が買われた。スポーツ関連銘柄の李寧(02331)も好決算などで株価は大きく上昇した。
【5月見通し】方向感の定まらない展開が続くか
5月の香港市場は、方向感の定まらない展開が続くと想定している。
欧米の主要先進国では、新型コロナワクチンの接種が進んでいるが、世界全体ではコロナ感染拡大が続いているため、世界経済の先行きは決して楽観視できない状況にあると言えよう。また、米国では、中国への対抗を強める動きが見られており、米中の対立激化には注意を払いたい。
1~3月期の決算発表にも注目したい。中芯国際集成電路製造(SMIC、00981)は13日、テンセント(00700)は20日に決算発表を予定。
19日は仏誕節で休場となる。
(4/23記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【4月回顧】前半下落も後半に戻りを試す展開
4月の中国市場で各指数は一進一退の展開だった。上海総合指数は前半軟調も後半に節目の3,500pt近辺まで回復。深セン成分指数は14,000ptを挟んでもみ合う展開となった。中国の1~3月期GDPは前年同期比18.3%増と好調も、市場予想の19.0%増を下回ったことなどが相場の重荷。一方、月初から22日までのストックコネクト経由の買い越し額は325億元に達し、3月の187億元を大きく上回っている。
歌爾(002241)は21年6月中間期で前年同期比100~130%増益見通し(4/21引け後発表)。株価は月初比で約4割上昇し、市場で注目された。
【5月見通し】自律反発を想定、消費関連に注目
深セン成分指数:12,500~16,000pt
5月の中国市場で上海は3,550pt、深センは15,000ptを目指す展開か。好業績銘柄を中心に引き続き自律反発が想定される。中国政府は国際的指数におけるA株組み入れ比率の向上などに意欲を見せている。海外資金のさらなる流入への期待も高まりそうだ。
労働節連休(5/1~5)をきっかけに消費・旅行セクターに注目したい。各地で開催される消費促進の「五五購物節」キャンペーンを受け、美的集団(000333)や海爾智家(600690)など家電関連株が動意付くか。海南島の旅行や免税店が賑わえば、中国旅遊集団中免(601888)の後押し材料になろう。
(4/23記:上海駐在員事務所 山藤)