香港市場
【6月回顧】見直し買いが入り、上昇基調を堅持
月前半の香港市場は、割安感から見直し買いが入り、ハンセン指数は25,300ptを突破する場面も見られた。その後、米国株の急落などを受け、調整局面に入ったが、後半は緩やかな持ち直しを見せた。米当局の規制強化を警戒し、米国で上場する中国企業の「香港回帰」の動きが顕著となった。網易(09999)と京東集団(09618)が香港市場に重複上場し、IPO市場を活気付けた。
個別銘柄では、香港取引所(00388)とテンセント(00700)が上場来高値を更新したほか、金山軟件(03888)が大きく値を上げた。
【7月見通し】米中対立への警戒感は根強い
7月の香港市場は、値固めの展開か。
香港版「国家安全法」は6月末にも成立する見通しだが、市場は概ね織り込み済みで、波乱なく乗り切ろう。一方で、世界各地における新型コロナの感染拡大や米中対立激化への警戒感は根強いため、上値を買い上げる勢いは乏しそう。ハンセン指数はPBR(株価純資産倍率)が1倍割れ、予想PER(株価収益率)が11倍(6/24時点)と、バリュエーション面では魅力的な水準にあり、下値は限定的とみる。大きく下落する場面があれば、押し目買いの好機と捉えたい。
1日は香港特別行政区成立記念日で休場となる。
(6/24記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【6月回顧】外資の買いが相場押し上げ
6月の中国市場は各指数とも右肩上がりの展開。全人代を経て政策期待が一層高まったほか、FTSEラッセルのA株比率引き上げを受けて海外投資家の買いが膨らんだ。ストックコネクト経由の買越額(6/1~22)は515億元に達し、5月実績(301億元)を大きく上回った。上海総合指数は22日に2,983ptまで買われ、節目の3,000ptに迫った。深セン成分指数も同日、年初来高値11,869pt(20/2/25)に迫る11,756ptまで一時上昇した。
立訊精密工業(002475)、江蘇恒瑞医薬(600276)など外資人気が高い銘柄が上場来高値を更新した。
【7月見通し】上海は節目3,000ptがポイントに
深セン成分指数:11,000~13,000pt
7月の中国市場で各指数は底堅い展開となりそう。上海総合指数は節目の3,000pt回復とその後の動きに注目したい。4~6月期の中国マクロ統計(7/16発表)で景気回復感が意識されれば、力強い買いが継続すると思われる。また、23日から科創板の指数が導入され、ハイテク・バイオ株などへの注目度が再び高まろう。盛り上がりがマーケット全体に波及すれば、商いのさらなる活性化が期待される。
サマーストックでは、エアコンの珠海格力電器(000651)やアイスクリームで中国最大手の内蒙古伊利実業集団(600887)などの値動きも注視したい。
(6/22記:上海駐在員事務所 山藤)