香港市場
【7月回顧】月初は大きく上昇、その後は下落基調
香港市場は、中国本土市場の急上昇などを受け、ハンセン指数は月初に一時26,700ptを突破する場面も見られた。しかし、その後は利益確定売りなどが重しとなり、緩やかな下落基調を辿った。新たな株価指数「ハンセンテック」の算出・公表を27日に開始する発表を受け、21日に関連株は大きく買われたが、米中対立激化(相互に総領事館閉鎖)が嫌気され、再び下落に転じた。
個別銘柄では、水害対策関連で建機大手の中聯重科(01157)が大きく上昇したほか、テンセント(00700)などテック関連銘柄の動きも目立った。
【8月見通し】「森より木を見る」業績相場へ
8月の香港市場は森より木を見る展開か。
世界で新型コロナの感染拡大や米中関係の悪化は重しとなろうが、大きく下落する場面があれば、押し目買いの好機と捉えたい。これから6月中間期の決算発表が本格化するため、業績相場への移行が進むと見られる。業績内容及び見通しを手掛かりとした個別物色の動きが活発になりそうだ。12日にテンセント(00700)、27日に中国平安保険(02318)が決算を発表する予定。
14日、ハンセン指数構成銘柄の見直し結果が発表される予定。アリババ集団(09988)などニューエコノミー大型株の新規採用に期待しよう。
(7/27記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【7月回顧】上昇継続、上海は2年5カ月ぶり高値
7月の中国市場は月初に大きく上昇。景気回復感や信用取引の規制緩和、メディアの「株高後押し報道」などを受け、上海総合指数は6日に5.71%高と急騰した。13日には約2年5カ月ぶりの高値となる3,458ptまで上昇。深セン成分指数は14日に約5年ぶりの高値となる14,151ptまで買われた。1日当たり売買代金(上海+深セン)は1兆元超の大商いが続いた。ただ、米中双方による総領事館の閉鎖命令など対立激化を受け、月末にかけて売り込まれた。
免税政策緩和を受け、中国旅遊集団中免(601888)が24日に228元まで上昇し、上場来高値を更新した。
【8月見通し】上昇一服からの高値もみ合いか
深セン成分指数:12,000~14,000pt
8月の中国市場は、各指数の上昇一服から高値圏でのもみ合いとなりそう。上海総合指数は3,200pt前後、深セン成分指数は13,000pt前後で売り買いが交錯すると見られる。引き続き海外資金の流入加速が期待される一方、米中対立の激化が変数となろう。
6月中間期での好決算銘柄への物色が進みそう。立訊精密工業(002475)は前年同期比で最大60%増益、歌爾(002241)は同最大50%増益見通しをすでに発表済みだ。また、永輝超市(601933)や順豊HD(002352)など、外部環境の影響を受けにくい内需株にも注目したい。
(7/27記:上海駐在員事務所 山藤)