香港市場
【2月回顧】前半は反発も後半は再び下落へ
2月前半の香港市場は相次いで発表された中国当局の金融緩和・景気刺激策や1月後半の急落の反動などで上昇トレントが継続し、ハンセン指数は17日に28,000ptを一時的に上回った。ただ、後半はさらに買い上げるには材料不足であったことに加え、韓国やイタリアなど中国以外の地域への新型コロナウイルスによる肺炎(COVID-19)の感染拡大を受け、世界景気の減速リスクが高まったため、再び下落基調に転じた。
薬明生物技術(02269)が大きく買われ、テンセント(00700)などネット関連銘柄も値を上げた。
【3月見通し】新型肺炎と企業業績を睨む展開へ
3月の香港市場は、引き続き新型肺炎の感染拡大に対する懸念が重荷となろう。ただ、その影響は一過性と思われ、過度な懸念は必要ないと考える。大きく下落する場面があれば、押し目買いの好機と捉えられよう。また、これから決算発表が本格化するため、業績相場への移行も進むと見られる。業績内容及び見通しを手掛かりとした個別物色の動きが活発になりそうだ。18日にテンセント(00700)、24日に安踏体育用品(02020)が19年度の本決算を発表する予定。
中国当局は5Gの建設加速を明らかにしており、ZTE(00763)など関連銘柄に注目したい。
(2/25記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【2月回顧】大幅安でスタートも持ち直し
2月の中国市場で各指数は急落でスタートも、その後持ち直す展開となった。新型肺炎の感染拡大を受け、春節(旧正月)明けの3日に上海総合指数は前営業日比7.72%安 。深セン成分指数も同8.44%安と10,000pt台を割り込んだ。ただ、中国政府による金融緩和に加え、海外資金の流入加速が反発材料となり、投資家マインドは急速に改善。両市場の1日当たり売買代金は計1兆元の大台を超える日が増えた。
用友網絡科技(600588)、立訊精密工業(002475)が上場来高値を更新。ハイテク株を中心に買われた。
【3月見通し】底堅い展開か、ハイテク関連に注目
深セン成分指数:11,000~12,800pt
3月の中国市場で、各指数は底堅く推移しそう。新型肺炎関連の各種情報で相場は一喜一憂する展開になりそうだが、下値は限定的か。上海総合指数は節目の2,900ptを割り込むと買い戻しの動きが意識されると思われる。ハイテク株中心の深セン成分指数は騰勢が続き、12,000ptを目指す動きも考えられよう。もっとも、新型肺炎の経済や社会への影響が表面化してくれば、相場の重しとなろう。
「宅経済(おうち経済)」関連で、オンライン教育に強い科大訊飛(002230)やサイバーセキュリティ大手の啓明星辰信息技術集団(002439)に注目。
(2/25記:上海駐在員事務所 山藤)