香港市場
【1月回顧】前半は上昇継続も後半は反落
1月の香港市場は中国預金準備率の引き下げで月初に良いスタートを切った。前半は米イラン間の衝突激化で一時的に売られた場面もあったが、米中貿易協議「第1段階合意」の署名などを受け、投資家心理は好転し、ハンセン指数は20日に29,000ptを突破した。ただ、後半は、武漢市で発生した新型肺炎感染拡大への警戒感や旧正月連休前の利食い売りに押される形で反落した。
個別銘柄では、小米集団(01810)などIT銘柄が大きく買われたほか、中国株ADRの香港重複上場期待などで香港取引所(00388)も値を上げた。
【2月見通し】値動き荒い展開、決算内容見極めへ
2月の香港市場は、値動きの荒い展開か。新型肺炎の感染拡大による先行き懸念が上値を抑えよう。一方で、米中関係の改善など外部環境には好転の兆しも見られており、新型肺炎への警戒感が和らげば、買い戻しが優勢となろう。決算発表シーズン入りを控え、徐々に業績相場へ移行しつつあると思われる。大幅増減益の業績ガイダンスや業績内容を手掛かりとした個別物色の動きが活発になりそうだ。20日に中国平安保険(02318)、26日に香港取引所(00388)が19年度の本決算を発表する予定。ハンセン指数会社は21日に四半期ごとの指数構成銘柄の見直し結果を発表する予定となっている。
(1/27記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【1月回顧】上海が3,100pt回復、後半は伸び悩み
1月の中国市場で、各指数は序盤は買い優勢も、後半にかけて上値が重い展開となった。上海総合指数は7日、約8カ月半ぶりに3,100 pt台を回復。預金準備率の引き下げ(6日から)などの金融緩和や海外資金の流入加速が支援材料。ただ、米中の「第1段階合意」でイベント通過感が漂い、新型肺炎の感染拡大懸念も合わせ、中旬以降は伸び悩んだ。
個別では、珠海格力電器(000651)、歌爾(002241)などが上場来高値を更新。江蘇恒瑞医薬(600276)など医薬関連株への物色も目立った。一方、中青旅HD(600138)など旅行株が売られる場面もあった。
【2月見通し】波乱含みの展開、新型肺炎の影響大
深セン成分指数:9,500~11,000pt
2月の中国市場は、新型コロナウイルスによる肺炎の影響で波乱含みの展開になりそうだ。経済活動への波及は必至で、春節(旧正月)明けの相場が売り優勢になることは避けられない情勢。上海総合指数は19年12月3日安値の2857pt前後まで調整する可能性もあろう。消費、旅行、運輸などのセクターへの影響が懸念される。もっとも、中国政府が金融緩和に踏み切れば、売り一巡後は自律反発の場面もあろう。短期的には厳しい状況が続きそうだが、海外投資資金が安定的に買い増すようになれば、市場も落ち着きを取り戻すと見られる。
(1/27記:上海駐在員事務所 奥山)