香港市場
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- 3月の香港市場は下落スタートとなったが下旬にかけては戻りを試す動きとなった
- 4月は1~2月の水準でのもみ合いを予想。ハンセン指数は23,500~25,500pt前後の値動きか
- 「深港通」実施に向けての進展見られるか。15日発表予定の中国の第1四半期GDPに注目
3月の香港市場は下落スタートとなったが、中旬に反転して下旬にかけて戻りを試す動きとなった。
中国人民銀行(中央銀行)による追加利下げ(3/1から実施)を好感し、3月相場で主要株価指数は上昇スタートとなったがその後は失速。月初発表の2月の中国経済統計の落ち込みなどが悪材料視されたほか、3日発表の香港の1月小売売上高(速報値)が2カ月連続マイナス成長となり、03年の新型肺炎(SARS)流行以来の落ち込みを記録したことも嫌気されたと考えられる。
一方、中国市場の堅調に加えて、11日発表の香港の第1四半期(1~3月)輸出指数が前期比で大幅な改善を見せたこと、中国人民銀行の周小川総裁が12日の記者会見で預金保険制度の今年前半導入や預金金利の年内自由化に前向きな姿勢を示したことなどが月末高のきっかけになったようだ。
4月の香港市場は1~2月の水準でのもみ合いが予想され、ハンセン指数は23,500~25,500pt前後での値動きとなるだろう。前年4月は李克強首相が「滬港通」実施に向けて意欲を示したことが一時的に相場の起爆材料となったこともあり、「深港通」実施に向けた進展が見られた場合、同様の値動きが期待される。もっとも、15日には中国の第1四半期(1~3月期)国内総生産(GDP)や3月主要経済統計発表が予定されている。3月の全人代では15年の中国の経済成長率目標が7.0%前後に引き下げられたため、GDP成長率を巡っての解釈が4月相場の焦点となるだろう。
決算発表も一巡したため、環境や医薬、保険など将来性を見越した投資が必要となるだろう。
3日は聖金曜日、6~7日は清明節と復活祭の振替で香港市場は休場となる。
(3/24記:檜和田)
ハンセン指数
(出所:QUICK)
中国市場
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- 3月は右肩上がりの相場展開が続いた。上海総合指数は08年5月以来の水準を回復
- 4月の上海総合指数は3,400~4,200pt前後での推移を予想。3,750pt前後が上値の節目に
- 国有企業改革や一帯一路、水利プロジェクトなどの関連銘柄の動意を予想。深セン市場も堅調推移か
3月の中国市場は右肩上がりの相場展開が続いた。上海総合指数は序盤に僅かながら調整したが、深セン総合指数とベンチャー企業で構成される創業板指数は終始一貫して上昇相場が続いた。月末にかけて上海総合指数は08年5月以来の水準を回復、深セン主要株価指数は連日で最高値更新。
序盤は5~15日開催の全人代を見極めようとする動きが目立ったほか、15年の経済成長率目標7.0%前後の解釈を巡り、神経質な動きも見られた。しかし、中国財政省が地方政府の起債限度額を引き上げたことや、李克強首相が全人代閉幕後の記者会見で、GDP成長率が合理的な範囲を下回る場合は景気刺激策を打ち出す方針を示したことなどが政策期待を誘った。
中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)創設に英国に次いで欧州主要国が参加を表明したことで、中国が掲げている「一帯一路」構想進展への期待が高まった。
4月相場で上海総合指数は3,400~4,200pt前後での推移となろう。3,750pt前後が同指数の上値の節目と推測される。同水準では08年11月安値1,706pt(11/4終値)から09年8月高値3,471pt(8/4終値)までの上昇幅1,765ptを14年1月安値1,991pt(1/20終値)に加えた値3,756ptや、15年1月高値3,406ptから2月安値3,049ptまでの下げ幅357ptの倍返し水準3,763ptなどが抵抗しているため、これを上抜けるか否かが焦点だ。
物色面では、国有企業改革、一帯一路、水利プロジェクト、自由貿易試験区などの関連銘柄の動意が予想される。新興産業の発展も深港通開始への思惑と併せて物色テーマとなる可能性が高いため、4月も深セン上場の中小型株の堅調推移が見込まれる。6日は清明節の振替で中国市場は休場となる。
(3/24記:檜和田)
上海総合指数
(出所:QUICK)