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今月の特集記事【特集1】全人代と2020年の中国景気 ~"インターネット+"計画や医療関連投資を推進~

全国人民代表大会(全人代)では小康社会の全面建設を確実に実施し、景気や国民生活の安定を重視する方針を示した。新型肺炎禍の中、積極的な財政政策や金融政策を維持し、産業政策では"インターネット+"や医療関連投資等を推進するとした。過去の景気下支え策が奏功し、4月の経済指標は持ち直しが顕著となったことなどから、当社は今年のGDP成長率を上方修正し、中国景気の年内のV字回復を見込む。

今年は小康社会の全面建設が政策の主軸

GDP成長率、鉱工業生産、サービス業生産

5月22日に開幕した全国人民代表大会(日本の国会に相当)では李克強首相が小康社会(ややゆとりのある社会)の全面建設を確実に実施する方針を示した。中国共産党の結党100年にあたる2021年に、政府は全面的な小康社会の建設を目指しており、今年は新型肺炎禍でも雇用や国民の生活を保障するとした。

今年の成長目標は新型肺炎の影響で不確実要因が多いとして設定を見送ったが、政府は景気や国民生活の安定を重視し、減税や社会保険料の免除等の企業の支出負担を軽減し(総額2.5兆元)、新型インフラ投資を拡大する等、積極的な財政政策を維持する意向を示した。今年の政府全体の財政赤字はGDP比約8.2%(8.1兆元)と、前年から約3%pt増加すると見込まれる。また、金融政策としては、預金準備率の引き下げ、金利低下の誘導、中小企業向けの融資の拡大等の緩和政策を採用するとした。

産業政策では、ネット販売だけでなく工業インターネットなど、"インターネット+(プラス)"計画を軸としたデジタル社会の建設を目指す方針を示した。また、公衆衛生の強化、ワクチン、治療薬、検査技術の研究開発や医療施設の拡大を目指すとした。

政治面では、香港とマカオに国家安全を維持するための法制度と執行メカニズムを確立する方針を示した。

年内V字型回復を達成へ

今年の財政支援の計画が「期待外れ」との評価もあるが、実際の財政支出は計画よりも拡大している模様。1~4月の支出は前年比約2.1倍、赤字額は約3.8兆元と、既に通年計画の半分に迫った。また、1週間物上海銀行間金利(SHIBOR)は昨年末の2.73%から1.48%(5/9)と、10年来の最低水準となった。

このような政府の積極的な景気刺激策を背景に、4月の鉱工業生産は前年比3.9%増と、1~2月の同13.5%減から急回復し、昨年通年の同5.7%増へ近づきつつある。新旧インフラ投資が拡大し、設備投資の伸びもマイナス幅が縮小した。持ち直しが遅れているサービス業でも、5月初めの連休では1億人以上が国内旅行を楽しみ、政府は経済正常化を当社の予想よりも速いピッチで進めているようだ。

当社は1~3月のGDP発表後に、今年のGDP成長率を若干のマイナスと予想したが、4月の経済指標等を受け、+1%へ上方修正する。1~3月のGDP成長率は前年比▲6.8%となったが、4~6月は同±0%程度まで戻り、更に、10~12月には同+6%を上回ろう。中国は年内にV字型回復を達成すると見込まれる。

(マーケット支援部 白岩)


全人代「政府活動報告」のポイントと関連セクター・銘柄

(上海駐在員事務所 奥山)

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