新旧産業が拮抗、インフラや金融も上位に
~パフォーマンスで見る14年「勝ち組」銘柄とセクター~
2014年の銘柄別株価パフォーマンスは、新興産業と従来型産業が入り混じる形となった。環境や医薬の代表的銘柄が上昇率上位に並んだのは「想定内」だが、逆に下落率上位に顔を出す銘柄もあり、同一セクター内で勝ち負けの明暗が分かれた。また、中国の金融緩和により騰勢を強めた銀行・証券・保険などの大型株の上昇も目立った。
環境や医薬が上位に
当社アナリストのカバレッジ76銘柄を対象に、13年末終値から14年12月19日終値までの騰落を比較した(下表参照)。これによると、上昇率1位は浄水場・汚水処理場の建設工事請負を行う桑徳国際(00967)で95.67%上昇、2位は産業廃棄物処理の東江環保(00895)で62.23%上昇など、環境関連株が並んだ。医薬では、康哲薬業(00867)が4位(47.89%上昇)、四環医薬(00460)が7位(41.81%上昇)にランクインした。躍進が目立ったのは、中国のゼネコン大手の中国中鉄(00390)と中国鉄建(01186)。それぞれ3位と14位に入ったが、中国政府が景気浮揚のためインフラ建設を強化したことが背景にあると考えられる。
また、中信証券(06030)、中国人民財産保険(02328)、香港証券取引所(00388)、中国銀行(03988)などの上昇も目立った。「滬港通」のスタートや中国の利下げなどにより投資資金が株式市場に流入したことで、金融セクターが14年末にかけて大きく買われた。
一方、下落率上位には中集安瑞科(03899)、山東威高(01066)、莎莎国際(00178)、国電科環(01296)など環境や消費の一角が並んだ。13年の上昇率が300.47%でランキング1位だった華熙生物科技(00963)は、14年は32.79%下落した。

2015年 中国株&中国経済カレンダー
(投資調査部 奥山)