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中国からの便り

第204回:ゼロコロナから全員コロナ 大感染と大混乱の後始末

「没人能逃過」(逃れられる人はいない)――。昨年12月のクリスマス前、中国の知人からため息の絵文字と共にこんなメッセージが届いた。似たような連絡がまずは北京から、そして上海、各地から入ってくる。敵はもちろん新型コロナウイルスだ。

中国は昨年末、突如としてゼロコロナ政策の見直しに踏み切った。「実質的な崩壊」「強制終了」とでも言い換えられようか。誰もが予想できなかった結末。SNS上で「大型トラックが超高速運転中にウインカーを出さずに車線変更するようなもの」との例えを見て思わず苦笑い。あえて悪ノリすれば「おきて破りの逆走」とも付言したい。いずれにせよ急転直下、光芒一閃の政策変更だったことは衆目の一致するところだ。

その後に待っていたのは空前絶後のコロナ大感染。信じられないほどのスピードで感染が広がった。「誰かがわざと毒(ウイルス)を撒いたのでは」との陰謀説も出たほど。約3年間のゼロコロナ政策下で、ほとんどの市民は免疫を持っていない。「コロナは悪」との恐怖心を煽られ続け、心も体も防御力と準備はほぼゼロ。しかも季節は冬。政策見直しはまぁ良しとして、「なぜ今なのか」という疑問の声が噴出した。

罹患後の症状は様々だが、よく聞くのは、40度前後の高熱、頭が割れるような頭痛、背中や足腰の痛みと倦怠感、カラダ中をウイルスが駆け回っているような痺れ、ガラスが刺さったような喉の痛み――などなど。舌が黒くなる、口内炎の異常発生、肺が飛び出てくるような勢いの咳、などの経験談も耳にした。なんだか別の病気のようで恐ろしい。「白肺」と呼ばれる肺炎症状もネットを賑わせた。一部専門家による「90%は無症状か軽症」との発言は、あまりにも現実と異なるため大ブーイングを浴びた。

私の知り合いは高熱に耐えられず病院の発熱外来に駆け込んだ。2時間待った挙句、医者の簡単な診療と漢方薬処方で終了。薬の効き目を尋ねたところ、医者曰く「......効きませんよ。早く帰って、水をたくさん飲んで寝てください」。その後、3日間の"苦闘"を経て徐々に元気になったという。

もちろん個人差はある。抗原陽性でも症状がほぼ出ず、念のため2~3日の自主隔離を経て職場に復帰する人もいた。昨年末に髪を切ってもらった美容師がこの例で、「まぁ大丈夫だよ!」と華麗なる復活をアピール。私は気が気でなかったのだが......。

サンプルが少なくて断言はできないが、(中国では公に認められていない)ファイザーやモデルナ製のmRNAワクチンを打った人は、熱は38度前後、咳も少なめと症状が比較的軽かったよう。ただ、それ以外のワクチンを打っていた大多数の人はというと......(省略)。

大変痛ましいことに死者も多く報告された。驚いたのは、知り合いの親戚が4人も亡くなってしまったこと。友人の故郷(河南省)の人口2000人ほどの村では高齢者を中心に多数の犠牲者が出たという。

中国疾病予防管理センター(CDC)は1月15日、昨年12月8日から今年1月12日までのコロナ関連死者数が5万9938人だったと発表した。このうち、ウイルスが直接引き起こした呼吸器疾患で死亡したのは5503人。もっとも、1月9日まで毎日発表していた当局データを手元でまとめると、ほぼ同じ期間内の死者は38人に過ぎなかったのだが。ちなみに、昨年12月8日からの1カ月間で、台湾(人口約2300万人)のコロナ関連死者数は994人、香港(約740万人)は1478人だった。中国の人口は14億人超だ。

巷では「9億人が感染済」「都市部の感染率は8割以上」など様々な推測が出ている。肌感覚としては概ねその通り。周りを見ても、罹っていない人を探す方が難しいくらいだ。年末年始頃からは、感染と療養を経て復活した「上がり組」が街に戻り、経済を動かし始めた。昨年までの閉塞感は何処へやら。市民生活は解放感と楽観ムードで満ち溢れている。

感染の再拡大は起きない、いや"起こさせない"のだろう。当局による感染者統計は1月上旬にストップ。数字を出さなければ感染の波やピークも分からない。これが私の生きる道。良いか悪いかは別にして、中国はコロナ禍脱却に向けて独自の道を歩むようだ。そう、明けない夜はないのだから......。

(東洋証券上海駐在員事務所 奥山 要一郎)

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