新規口座開設はこちらから

マルチチャンネルサービス

ホームトレードはこちらから

TOYOメール配信サービス

中国からの便り

第200回:食品添加物に敏感な反応 思わぬ株安も誘発

スーパーの調味料コーナーでは「ゼロ添加」の商品が目立つ

中国の国慶節連休後、最初の取引日となった10月10日。A株市場では仏山市海天調味食品(603288)と浙江三花智能控制(002050)が急落した。海天は9%以上下落し、三花はストップ安。背景には、いずれも食品添加物に関連した問題があった。

調味料大手の海天の看板商品は醤油。超が付くほどの著名企業で、筆者も同社製醤油を重宝している。今回の株価急落のきっかけは、あるインフルエンサーが作った「自家製醤油」の動画だった。原材料は、水と塩に加え、「グルタミン酸ナトリウム(味の素)」「5'-リボヌクレオチド二ナトリウム(うま味調味料の一種)」や着色料などの食品添加物。これでなんと市販の醤油よりもうま味が濃い一品ができてしまった。動画はネット上で繰り返し再生され、その過程でたくましい想像力も加わり、最終的にはなぜか「醤油=添加物でできたもの」という単純な結論に至ってしまった。

この世論に巻き込まれたのが海天。製品の原料表を見ると、水、大豆、塩、小麦、砂糖などのほか、うま味調味料や保存料もある。同社は添加物の使用量などが国の規定に合致していると何回も説明したが、「添加物はけしからん!」という極端なネットの声は抑えられず、株価下落はなかなか止まらなかった。一方、「ゼロ添加物」を売りにする同業の千禾味業食品(603027)は10日のマーケットでストップ高となり、明暗を分けた。

次は三花。こちらもややとばっちり感がある「躺槍」(タンチアン=「何の間違いもないのに非難される」という意味のネット用語)だ。元凶はなんと「三花」という社名だったらしい。

現地では「三花淡奶」というネスレ社の無糖練乳(エバミルク)が販売されている。香港式ミルクティーを作る際に欠かせない一品だ。ここでまたもや登場したのがネットのインフルエンサー。「お湯にエバミルクや調味料を入れて長時間煮れば、高品質スープの出来上がり」という動画を作ってしまったのだ。この動画もバズり、「エバミルク=食品添加物」という単純な図式が拡散。上場会社の三花は練乳とは全く関係ないが、評判がガタ落ちする憂き目に遭った。

これらの例から、中国の消費者は添加物に対して大きな抵抗感を抱いていることが分かる。甘味料、増粘剤、乳化剤、酸味料など様々な種類がある添加物だが、中国では健康に害のない限り使用は認められている。ただ、市民の間では「添加物=毒」という印象も少なからずある。記憶に新しい2008年の「メラミン混入粉ミルク事件」。メラミンは工業用添加物だが、たんぱく質含有量を贋造するため一部メーカーが粉ミルクに入れてしまったのだ。結果、乳幼児の間で腎不全が多発するはめに。この一件により、消費者の食に対する信頼は失墜した。粉ミルク業界は今でも完全回復したとは言い切れない。

中国には「一旦蛇に噛まれると十年たっても井戸の縄まで怖い」というトラウマを表現することわざがある。悪いことはなかなか忘れられないものだ。ただ、冷静に考えると悪いのは添加物ではなく、それらを悪用する人たち。添加物は食品の風味を改善でき、コスト削減にも寄与するのでもはや不可欠なもの。ただ、各メーカーにはメラミン事件を戒めとして慎重に慎重を重ねて使ってほしいものだ。我々消費者の切なる願いである。

(東洋証券上海駐在員事務所 孫 佳賢)

ご投資にあたっての注意事項

外国証券等について

  • 外国証券等は、日本国内の取引所に上場されている銘柄や日本国内で募集または売出しがあった銘柄等の場合を除き日本国の金融商品取引法に基づく企業内容等の開示が行われておりません。

手数料等およびリスクについて

  • 国内株式等の手数料等およびリスクについて
  • 国内株式等の売買取引には、約定代金に対して最大1.2650%(税込み)の手数料をいただきます。約定代金の1.2650%(税込み)に相当する額が3,300円(税込み)に満たない場合は3,300円(税込み)、売却約定代金が3,300円未満の場合は別途、当社が定めた方法により算出した金額をお支払いいただきます。国内株式等を募集、売出し等により取得いただく場合には、購入対価のみをお支払いいただきます。国内株式等は、株価の変動により、元本の損失が生じるおそれがあります。
  • 外国株式等の手数料等およびリスクについて
  • 委託取引については、売買金額(現地における約定代金に現地委託手数料と税金等を買いの場合には加え、売りの場合には差し引いた額)に対して最大1.1000%(税込み)の国内取次ぎ手数料をいただきます。外国の金融商品市場等における現地手数料や税金等は、その時々の市場状況、現地情勢等に応じて決定されますので、本書面上その金額等をあらかじめ記載することはできません。
  • 国内店頭取引については、お客さまに提示する売り・買い店頭取引価格は、直近の外国金融商品市場等における取引価格等を基準に合理的かつ適正な方法で基準価格を算出し、基準価格と売り・買い店頭取引価格との差がそれぞれ原則として2.50%となるように設定したものです。
  • 外国株式等は、株価の変動および為替相場の変動等により、元本の損失が生じるおそれがあります。
  • 債券の手数料等およびリスクについて
  • 非上場債券を募集・売出し等により取得いただく場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。債券は、金利水準の変動等により価格が上下し、元本の損失を生じるおそれがあります。外国債券は、金利水準の変動等により価格が上下するほか、カントリーリスクおよび為替相場の変動等により元本の損失が生じるおそれがあります。また、倒産等、発行会社の財務状態の悪化により元本の損失を生じるおそれがあります。
  • 投資信託の手数料等およびリスクについて
  • 投資信託のお取引にあたっては、申込(一部の投資信託は換金)手数料をいただきます。投資信託の保有期間中に間接的に信託報酬をご負担いただきます。また、換金時に信託財産留保金を直接ご負担いただく場合があります。投資信託は、個別の投資信託ごとに、ご負担いただく手数料等の費用やリスクの内容や性質が異なるため、本書面上その金額等をあらかじめ記載することはできません。
  • 投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とするため、当該金融商品市場における取引価格の変動や為替の変動等により基準価額が変動し、元本の損失が生じるおそれがあります。
  • 株価指数先物・株価指数オプション取引の手数料等およびリスクについて
  • 株価指数先物取引には、約定代金に対し最大0.0880%(税込み)の手数料をいただきます。また、所定の委託証拠金が必要となります。
  • 株価指数オプション取引には、約定代金、または権利行使で発生する金額に対し最大4.400%(税込み)の手数料をいただきます。約定代金の4.400%(税込み)に相当する額が2,750円(税込み)に満たない場合は2,750円(税込み)の手数料をいただきます。また、所定の委託証拠金が必要となります。
  • 株価指数先物・株価指数オプション取引は、対象とする株価指数の変動により、委託証拠金の額を上回る損失が生じるおそれがあります。

利益相反情報について

  • この資料を掲載後、掲載された銘柄を対象としたEB等を東洋証券(株)が販売する可能性があります。
    なお、東洋証券(株)および同関連会社の役職員またはその家族がこの資料に掲載されている企業の証券を保有する可能性、取引する可能性があります。

ご投資にあたっての留意点

  • 取引や商品ごとに手数料等およびリスクが異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、等をご覧ください。
  • 掲載されている情報は、当社が各種のデータに基づき投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成したもので、投資勧誘を目的としたものではありません。
    また、掲載されている情報の正確性および完全性を保証するものでもありません。意見や予測は作成時点の見通しであり、予告なしに変更することがありますのでご注意ください。
    掲載されている情報に基づき投資を行った結果、お客さまに何らかの損害が発生した場合でも、当社は、理由の如何を問わず、一切責任を負いません。株価の変動や、発行会社の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込むことがありますので、投資に関する最終決定は、お客さまご自身の判断でなされるようお願いいたします。
    なお、東洋証券および同関連会社の役職員またはその家族はレポート等に掲載されている企業の証券を保有する可能性、取引する可能性があります。
    情報の著作権は当社または情報提供元に帰属しており、いかなる方法を用いても、事前の許可なく複製または転送等を行わないようにお願いいたします。
PDFファイル形式のニュースをご覧になる場合は、Adobe Readerをインストール頂く必要がございます。
Adobe Readerダウンロードページへ