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中国からの便り

第193回:いきなり!PCR検査 コロナ禍のローラー大作戦

「今からPCR検査を実施します。スマートフォンを持って、すぐに降りて来てください」――。自宅マンションのインターホン越しにこう呼びかけられた。画面に映るのは白い防護姿のスタッフ。ついに来たか......。上海市による巡回型の強制検査である。

マンション1階に臨時のPCR検査会場が設置された。自費検査は1回40元(約700円)程度だが、今回は無料。スマホでの手続きから検査完了まで10分ほどであっけなく終わった。ただ、「深夜に突然呼び出されて雨の中で2時間も並んだ!」と愚痴る知人もいた。

上海では3月に入り新型コロナのオミクロン変異株が猛威を振るっている。感染力が強く、中国が未経験の非常に厄介なタイプだ。ゼロコロナ政策の下、市内では徹底的な検査と隔離が始まった。感染者や濃厚接触者が立ち寄った施設は即時閉鎖。市民は外出を控え、3月中旬には街から人や車が消えた。まるでゴーストタウン。目立つのは、フードデリバリーやネットスーパーの配送スタッフだけ。なんだか2年前に逆戻りしたみたいだ。

今回の感染拡大は、海外からの渡航者の集中隔離ホテルが発端とされる。中国ではコロナウイルスは海外からもたらされたとの認識が根強く、今回の件で警戒感がさらに高まったよう。マンションの管理人さんに、今年は日本から家族が訪れるかもしれないと伝えると、「できれば来てほしくない」とズバリ返された。感染者ゼロの日もあった年初は「隔離を経ればOK」と優しく言われていたのに、態度と雰囲気が一変。あの頃の寛容さが懐かしい。

隔離や封鎖が相次ぎ、仕事がままならない人も増加中だ。私がよく行く美容院も、区の要請に基づき営業停止を余儀なくされた。再開のメドも分からず、担当者は「これは死活問題」と焦りを隠せない。自治体から補助金が出る可能性もあるのでは、と慰めるつもりで話したところ、「何を夢のようなことを......ここは日本じゃないんだよ」とバッサリ切られた。以前もコロナの影響で経営規模を大幅縮小していたため、イヤなことを思い出させてしまったようだ。

一方、テレビやネットの世界はポジティブ感で溢れている。「公務員やボランティアの人が寝る間も惜しんで検査や隔離などを手伝っている」という類のニュースが多い。そこには不自由な生活に苦しむ市民の姿や文句は登場しない。国有企業で働く知人に、経済の停滞懸念などマイナス面の話を振ると、「キミは西方思想に毒されている。中国は最小の犠牲で大きな成果を得ているから問題ない!」といつも反論されてしまう。合言葉は常に前向きの「正能量(ポジティブエナジー)」だ。

吉林省長春や広東省深センに続き、上海市も3月下旬から事実上の都市封鎖(ロックダウン)に追い込まれている。封鎖は回避するとの当初方針を大きく転換した。これに先立ち、3月中旬にはほぼ全市を対象とした大規模なPCRスクリーニング検査が行われ、感染者を徹底的にあぶり出した。冒頭の検査はこの"ローラー作戦"の一環である。小区(居住区=日本のマンション区画や町内会のようなもの)ごとに住民が集められて集中検査。基本的に24時間間隔で2回行う。検査中や結果が出るまでのほぼ2日間は家から出られないプチロックダウン状態だ。全員陰性であれば封鎖解除となるが、もし1人でも陽性者や異常反応が出たら全員再検査やロックダウン延長。これはもう究極の連帯責任である。自分のみならず他の住民が感染していないことを心から願ったのは、後にも先にもこの時だけだ。

オフィスや商業施設で感染者が発覚し、PCR検査のため建物が突然封鎖されることもある。たまたま内部にいると、事前通告もなくそのまま閉じ込められるリスクも高い。一寸先は闇ならぬプチ隔離。これはもう運任せだ。できることと言えば、万が一に備えて最低限の生活用品を常に持ち歩くこと。私は、予備のコンタクトレンズと歯ブラシ、スマホ用の携帯型充電バッテリーなどをいつもバッグの中に忍ばせている。まるで毎日がキャンプ状態である。

世界が志向する共存策とは一線を画す中国のゼロコロナ政策。仕方ないが、緊張状態の生活はもうしばらく続きそうだ。

(東洋証券上海駐在員事務所 山藤 秋男)

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