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中国からの便り

第194回:朝の食料争奪戦に全集中!上海ロックダウン最前線

ロックダウン生活のヤマ場は毎朝やってくる。5時59分からスマホ上の「購入」ボタンをひたすらタップ。狙うはネットスーパーの新鮮な野菜だ。天下分け目の食料争奪戦。往年の高橋名人よろしく、高速連打と気まぐれなネット接続のあやでその日の運命が決まる。10分間ほどの壮絶な連打で指と手首の感覚がなくなりそうな頃、ついに成功の瞬間が訪れた。やった。ニンジン3本をゲット!朝からテンションは爆上がりだ。戦績は2勝18敗くらいだろうか。そして8時半からの第2次争奪戦に備える......。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3月28日から一部地域で都市封鎖に突入した上海。4月1日からは封鎖エリアが市全域へと拡大し、上海市民2500万人が実質閉じ込め状態になった。地元政府による「封鎖はしない」「4日間限定」という公約は反故にされ、事実上の無期限延長に入っている。

今般の封鎖措置は、家のドアから出ることすら許されない「ガチ型」のロックダウン(居住地により運用が若干異なる)。もちろんスーパーやコンビニでの買い物も一切できない。よって、食料調達は、①政府による配給、②ネットスーパー、③住民による共同購入、などに頼ることになる。

①の配給はありがたいが、ややクセが強い。区や地域によって、野菜や卵、牛乳、肉や魚が配られるところもあれば、即席麺やスナック菓子などのみのケースもあった。SNS上では「配給格差」を嘆く投稿があふれた。生きた鶏が丸ごと支給され、扱いに困った人もいたようだ。

②のネットスーパーは、アクセス過多でサイトにほとんど繋がらない、もしくは繋がった時には商品完売がほとんどだ。私が愛用するスーパーは毎日6時と8時半に販売がスタート。冒頭のスマホ連打のように、売り切れ御免の早い者勝ちだ。「カート」に入れておいても、支払いや配送指定段階でもたつけば他の誰かに取られてしまう弱肉強食の世界である。

③の共同購入は、マンションなどの住民グループでまとめ買いをするシステムだ。販売側にとっては個別受注より効率的に配送できるメリットがある。注文の際は、住民の中で「団長」と呼ばれるリーダー格の人がスマホのグループチャット内で購入者を募る。「米の購入者募集。50人以上必要」「皆で豚肉を100kg買いましょう」「トイレットペーパーが欲しい人は集まれ!」などのメッセージが目まぐるしく飛んでくる。人数や時間制限もあるため、購入を逃すまいと朝から夜までスマホから目が離せない。

問題は配送。スタッフ不足で「モノはあるのに届けられない」という事態が頻発した。政府が物資を配るために民間の輸送トラックを接収し、私のネット注文品の配送が滞るというちぐはぐ状態。そうこうしているうちに倉庫で野菜が腐ってしまう本末転倒の出来事もあった。

医療面の問題も深刻だ。高齢者や持病がある者は通院及び投薬もままならない。緊急の場合は特別外出許可を申請するが、手続きには時間がかかる。私は封鎖が一時解かれた4月中旬に街を歩いたが、その際に総合病院の前で車椅子姿の高齢者の集団を見かけた。病院に入る際にはPCR検査の陰性証明が必要。その場で検査を受け、結果が出るのを待っているのだろう。最高気温33度の炎天下の中、高齢者の疲れた姿を見て、何ともいたたまれない気持ちになった。救急患者の搬送受け入れを拒否する病院も出るなど、実質的な「医療崩壊」も起きた。

中国では陽性確認者は無症状や軽症者を問わず病院や施設での一律強制隔離。既存施設はあっという間にパンク状態となり、突貫工事で野戦病院が多数建設された。ただ、工事不備による雨漏りや汚いトイレなどの実情がSNSで拡散。市民は「あそこにだけは行きたくない」と囁き合っている。

先行きが見通せない上海。仲間内では「5月の連休後には解放されるといいね」「5月内に出社できれば御の字じゃない?」「次に会うのは七夕の頃かな......」などと話している。長期の都市封鎖は、日常生活や経済活動、そして人の心理面にも大きな爪痕を残した。解除されてもしばらくは行動規制が続くだろう。社会の正常化にはまだまだ時間を要しそうだ。

(東洋証券上海駐在員事務所 奥山 要一郎)

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