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中国からの便り

第188回:現地目線で賢い投資 目指せ!中国株のBIG BOSS

「日本人は中国株投資に向いていないですよ」――。上海の地場系証券に勤める中堅証券マンがこう呟いた。日本留学経験もある彼は両国の資本市場に詳しい。「なぜですか?」と聞くほど私はナイーブではない。思い当たるフシはいくらでもあるからだ。 2019年春に上海で開催された日中資本市場フォーラム。日本側の講演者がETF投資の目的として「老後の資産形成」を強調していた。それを聞きながら、意地が悪い私は「いやいや、中国では通用しないですよ......」と苦笑いしたものだ。

もちろん中国にも安定的な運用や将来の資産形成を重視する投資家もいる。しかし、売買代金の約8割を占める個人投資家にそんな文句は響かない。未来の資産より目の前のマネー。借金をしてでも株を買い、人生の一発逆転を狙う投資家がごまんといる。年間リターン10%より、今日ストップ高(10%高)になりそうな銘柄を血眼になって探す。投資スパンは超短期。利益確定売りや損切りも超高速だ。中長期投資に重きを置く日本の投資家はこのスピード感についていけない。埋めがたい大きなギャップがある。

情報面はどうか。中国には優秀なエコノミストやアナリストが多数おり、投資レポートは充実している。ただ近年、分析のキレが芳しくなく、無味乾燥な内容も増えてきた。政府や企業の公式発表をコピペし、お茶を濁す程度のコメントで済ますレポートをよく見る。なるほどと思わせる鋭い切り口は少なく、何かをヨイショするような「提灯レポ」も多い。

話題の「恒大問題」に関してもダンマリ同然だ。地場系証券のまとめは恒大の公告や政府公式コメントをなぞったものばかりで、今後の見通しやシナリオに踏み込んだオリジナル物はほとんどない。日本から「恒大の件、現地ではどう報じられていますか?」との問い合わせをよくいただくが、私の答えは「ほぼ皆無です」。相手は途端に訝しがり、電話口で「リーマン級の金融危機になると言われているんですよ!」と憤る。でも、仕方ない。報道管制のせいだろうか、現地メディアも特に大きく取り上げていないのだ。ロイターやブルームバーグなど海外メディアの方がよっぽど詳しく、私もそれで最新情報をキャッチアップするくらいである。

ならば足で稼ぐしかない。ドロドロした現地社会に潜り込み、彼らのホンネを少しでも探る。先日は中国の某金融関係者とハイボールを飲みながら(飲ませながら)様々な話を聞き出してきた。どうやら権力側は民間企業(恒大やアリババなど)のことがすこぶるお嫌いなようで......。そうそう、「共同富裕」についても率直な考えを聞けた。その中身は......いや、なぜか途中からウイスキーの配分が多くなり、残念ながら記憶は曖昧。しくった。酒を憎んで人を憎まず。次回は薄めでお願いしよう。

中国情報を見る際は、日本はこうだから、世界はこうだから、という既成概念や先入観を取り払う必要がある。物知り顔で「ワクチン接種が進んでいる中国では経済活動の正常化がより早いでしょう」などと言う人もいるが、全く現地のことを分かっていない。これはいわゆる「ウィズコロナ」に当てはまるもの。中国はコロナ感染者が1人でも出ればロックダウンや移動制限が行われる「ゼロコロナ」政策。ワクチンは関係なく、今日正常化していても明日はどうなるか分からない社会なのだ。

ここまで読んで、中国株投資はやめた方がいいとか危ないものには手を出すなと感じた人もいるだろうが、そんなことを言うつもりは毛頭ない。これだけダイナミックでアクティブなマーケットを見過ごす手はない。分散投資先の一つとして非常に有望な市場であることは論を俟たないだろう。

さて、冒頭の証券マンは肩をすくめながらこうも言っていた。「心配しないでください。中国株のことは中国人ですら分からないんですから」。あぁ、そういうことか......。魑魅魍魎の中国株ワールドへようこそ。この大海は最終的に自力で漕いで行くしかないのかもしれない。ラオバン(≒旦那)改めBIG BOSS。中国株の世界では一人ひとりが主人公です。

(東洋証券上海駐在員事務所 奥山 要一郎)

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