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中国からの便り

第181回:薄れる海外ブランド崇拝?若者世代は「国潮」推し

国潮ブームの影響か、伝統的な民族服「漢服」を前面に出したイベントもよく行われている

「欲しいモノはセイコー製の腕時計。パナソニック製の電気シェーバーもイイね」――。中国の故郷(重慶)に帰省する際、親世代の親戚(1960~70年代生まれ)からよく頼まれるお土産だ。日本製は高品質なことに加え、持っていることでメンツも保てるため、この世代には根強い人気がある。成都在住の叔父は、2014年に日本に旅行した際に"爆買い"した温水洗浄便座「ウォシュレット」を今でも愛用しているそう。辛い四川料理はお尻に負担がかかりやすいため、紙ではなく水での優しい洗浄がすこぶる助かるようだ。

一方、今どきの若者は対照的だ。「高品質で安心・安全」のような海外製品に対する崇拝が薄れ、中国伝統の要素を取り入れた国産品を見直す、いわゆる「国潮」ブームが高まっている。安価でダサいイメージだった国産品が、洗練されたデザインで高品質な製品に生まれ変わり、次第に若い消費者の心を掴み始めた。

先日、重慶に住む従姉妹が両親とケンカしたという。その両親は日本からわざわざ筋肉痛用の塗り薬を取り寄せようとしたのだが、そこでひと悶着。彼女曰く「効果は国産品とそれほど変わらないでしょう?そこまで日本製にこだわる理由が理解できない」。あくまでも海外製品に憧れを持つ親世代との間で価値観のギャップが広がっているようだ。

「中国青年報」の調査によると、大学生の8割近くが中国製品を支持するとの結果が出た。理由を聞くと、約50%の人が高品質とコスパの良さを挙げている。アリババ系のECサイト「淘宝(タオバオ)」などネット通販が普及し、気軽にショッピングができる環境が整ったことも影響しているようだ。知人は、中国産の化粧品やアパレルなどは比較的安いが、品質面では海外製に劣らないと言う。

もっとも、自動車など高価なモノは海外ブランドの人気が高い。上海在住の友人が、愛車のBMWを新エネタイプに買い替えようと、同じBMWのプラグイン・ハイブリッド車やテスラを候補として挙げていた。どちらも外車だ。国潮ブームを感じていた私は思わず、「国産EVも悪くないよ。小鵬汽車や蔚来汽車(NIO)とかあるし」とアドバイス。ところが、「いやいや。車は絶対『外資系』っしょ」とバッサリ返された。大都市に住んでいる以上、メンツが何より大事という。彼はさらに「国産に乗り換えるのはスマートフォンが限界」とすら言う。国潮ブームはさすがに自動車には当てはまらないのか......。中国の自動車産業をウォッチしている者として、少々残念な気持ちになった。

さて、アニメーション分野での「メイド・イン・チャイナ」の成長も著しい。日本アニメの大ファンの中国の友人。3年ほど前には「国産アニメはストーリー性に欠けて、作風も幼稚で基本的に見ない」とグチを言っていた。そんな彼から、大ヒットした国産アニメ映画「ナタ~魔童降臨~」を一緒に観ようと言われた時は面食らった。数年前には考えられないほど作画やCGのクオリティーが高く、まるでハリウッド映画のようだという。「多くの作品が宮崎駿氏の要素をうまく取り込んでおり、完成度も高い」と熱く語る彼を前に、なんだか複雑な気持ちになった。

いずれにせよ、中国の各企業やブランドは、国産品消費の主力になりつつある若者世代を取り込もうと必死だ。この中から「クールチャイナ」の先駆けが生まれてくるのかもしれない。

(東洋証券上海駐在員事務所 山藤 秋男)

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